東京で教師をしていたが罷免され戻ってきた父。書斎にこもっている神経症の父を恥じながら、立派な軍国少年となるべく日々を過ごしていた良彦。
しかし戦争に負け、生活が一変していく。
引きこもり「非国民」とそしられる父を支え続けた母、一家に君臨し、地域でも大きな権力を持っていた祖母、東京で就職し、結婚した兄と、まだ小さな妹。
父が亡くなり、遺品である日記から見えてきた、自分には見えなかった父の一面。
良彦が見ていた不甲斐ない父の姿。そして母から見た父と、日記から見えてきた父の思い。
家族の思いを、それぞれの立場からに描いている。
特に、口を出すだけで何もしない祖母への感情はわかりやすく、良彦側と母側の比較ができて面白い。
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