2017年05月31日 読了
南部藩御側用人・桜木兵庫の娘である綺羅は、幼い頃一緒に遊んだ初代藩主利直の五男・彦六郎の事をずっと慕っていた。
成長と共に二人の道は離れたが、桜木の家が落ちぶれても、お預人の方長老の御側人として通うことになっても、二人で見た枝垂桜が綺羅の心を支えていた。
一人の藩主の心一つで人生が大きく変わる時代。
綺羅は様々な苦境に立たされながらも一人、自分の足で立っていくと誓う。
歴史的な動きも所々はさまれ、固い表現もある中、綺羅の心は「あっ」という表現が多くて子供っぽい。
最後まで彦六郎に向かう一途さよりも、なぜか倫三の不憫さが残った。
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