2019年11月15日 読了
優れた厨師を輩出することで有名な斉家村の斉鎌は、ある日茸を採りに入った山で出会った男かに鍋を借りた。しかしその鍋は、たびたび料理を作ってやらないと自分で獲物を捕りに行くという物騒な鍋だった。
里から、「返すまで帰ってくるな」と言われた斉鎌は、厨師として働きながら男を探して旅をする。
鍋のせいで一か所に留まれない斉鎌は、いろんな経験をする。
そして出会った人たちと縁を結びながら、自分の望みも見つけていった。
読み応えたっぷり。淡々と書かれているが、相当に刺激的で、出会う人々も奇妙で、次はどんな人やモノと出会うのかと楽しみになる。
ただ、ちょっと説明不足で分かりずらい部分があって、読み返すなどもあった。
最後はもうちょっときっちり書いてほしかったが、おとぎ話としては「匂わす」程度で想像を駆り立てるほうがいいのか。
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