荒野のホームズ


 親も兄弟も失い、二人きりになった兄弟・オールド・レッドとビッグ・レッド。
今は西部の牧場を渡り歩く、雇われカウボーイの生活を送っている。
ある時雇われた牧場で、支配人がぐちゃぐちゃに踏みつぶされたようなひどい状態の遺体で見つかる。
兄のオールド・レッドは、論理的推理を武器とする探偵となるべく推理を始める。

 ホームズの影響が西部まで。
『赤毛連盟』に出会って探偵を始める兄と共に、牧場で起こるおかしな事件に立ち向かうビッグ・レッド。
西部の荒々しさの中で頭脳を働かせ、観察によって情報を集めて回る様子は面白かった。
ただ、ホームズは小説の中の人物として扱っているのかと思っていたら、途中から急に実在する人物として描かれているので戸惑う。
それでもホームズをまねて推理をする兄弟が微笑ましく、閉鎖的な牧場での悲惨な事件が重い雰囲気にならずに最後まで楽しめた。

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