ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレルI


2011年07月31日 読了
 19世紀イギリス、魔法は議論されるだけものもになっていた。
なぜ魔法が使われなくなってしまったのか。
そんな折、現代に魔法を取り戻そうとした男が一人、ロンドンへとやってきた。

 完成まで10年を要し、発表されるや世界的なベストセラーになった本、らしい。

 長編にありがちだけど、1巻ではさほど気を引くものがない。
古い絵本のような暗くて曖昧な挿絵も話を重くする。

ちょちょら


2011年07月29日 読了
 兄上が自刃した。
後を継いで江戸留守居役となった新之助は、強かな他藩の留守居役達と共に、前代未聞の大仕事を打つ。

 始まりは退屈で、留守居役の仕事とはこうゆうものだという説明めいた出来事が続く。
 大事になってくるのは1/3を過ぎた頃か。
博打を打つような張ったりと緊張感とどんでん返し。
 いい友がいることが充実感を倍増させる。

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パルテノン―アクロポリスを巡る三つの物語


2011年07月27日 読了
 一つとして同じ形の石はなく、どこを探しても直線がない。
まるで空に浮かぶ宮殿のよう。

 ペルシア戦争で荒廃した聖域(アクロポリス)復興を計画した友人に頼まれ、パルテノンを建てた一人の俗業者の、美を追求した末の作品。

 民主制を目指した友と、究極の美を目指した男との情熱の物語。

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緑金書房午睡譚


2011年07月24日 読了
 父が研究休暇でいなくなるため、母の親戚のところに居候することになったヒナコ。
そこは、謎だらけの古本屋店主と人語を話す猫がいて、招かれざる人は店を見つけることすらできないという不思議なところだった。

 ファンタジーといった雰囲気だったが、底が浅いというか謎になってないというか、中途半端。
 不思議の国のアリス的な世界を狙った、収束しないお話。

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BG、あるいは死せるカイニス


2011年07月22日 読了
 不思議な世界観がさも当然というように始まり、やがてごくありふれた事件が起こる。

 人は誰しも生まれた時は女であり、やがてその一部が男へと転換する世界。
 
 おかしなタイトルだと思って手に取っただけ。
だけど読みだすと止まらない。
性転換する生き物は、母であり父になる。

 久しぶりにじっくり入り込めた。

黄金坂ハーフウェイズ


2011年07月21日 読了
 就職浪人の隼人を、友人の楓太が連れて行った先は怪しげなバー。
 日給500円で働くマスターと魔女のようなママ、昼と夜とでは恐ろしく別人の芸者コンビ。

 どう見ても近寄りたくないメンバーに頼まれて、隼人と楓太はにわか探偵をする羽目になる。

 展開はとても作者らしいけど設定はありふれていて、「インディゴ」ほどキャラクターに魅力がないのでさほど面白いと思えなかった。

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アリアドネの弾丸


2011年07月18日 読了
 田口・白鳥コンビ再来。
AIセンター設立に向け、またも高階病院長に手の上でころりと転がされた田口。
 
 AIの実権を握るのは司法か医療か。
双方の裏工作が進む中、死体が発見される。
画像診断の場で起こった死を、ここぞとばかりにAIにかける。

 白鳥の口ぶりは毎度のごとく、意地の悪さは天下一品。
謎解きなのに爽快というより苦笑いが出てくる。
 そしてやっぱり食えないのは高階病院長と藤原さんだった。

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ハーメルンに哭く笛


2011年07月17日 読了
 ある日、児童30人がまるでハーメルンの笛吹きのごとく連れ去られた。そして2日後、墓場で奇麗に並べられた死体として発見される。
 
 花街に住む盲目の元検事が見事な探偵となっている。
意地悪で口が悪く、人を指に巻く性格も、その美貌を持って帳消しにされるほどで、すべての言動が美しい余韻となる。
 
 周囲で動く素朴な若者と頑固で粗野なベテランという定石の組み合わせも、物語をわかりやすくしてくれている。

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依頼人―湯川史郎の事件カルテ


2011年07月14日 読了
 弁護士免許を持つ医師・湯川。
友人の弁護士が営む法律事務所でイソ弁をしている。

 淡々と進む話は他人事のよう。
人が死んだり理不尽なことがあったりしても、ペースを乱さず解決していく湯川は医者でも弁護士でもなく探偵。

 短編なので読みやすい。

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最初の哲学者


2011年07月12日 読了
 ギリシャの神々、歴史、伝説を独自に解釈して集めた短編集。
聞いたことのある話も多くあり、ちょっとした隙間に読める。

 神話への興味が大きくなる。

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