2010年04月29日 読了
「死神にやられた」
朦朧とした意識でそう言って、師匠が昏倒した。
今回も落語と絡めた話が5編。
編集長・牧の読みは相変わらずだけど、消してホームズではない。主人公の緑を導く役に徹していて、読者にも考えさせながら進む。
なじみのない落語の内容にも、いつしか興味がわくが、落語の舞台となる時代が違うので、「落ち」がいまいち理解できない話も、、、時々ある。
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読書と編み物の記録
2010年04月29日 読了
「死神にやられた」
朦朧とした意識でそう言って、師匠が昏倒した。
今回も落語と絡めた話が5編。
編集長・牧の読みは相変わらずだけど、消してホームズではない。主人公の緑を導く役に徹していて、読者にも考えさせながら進む。
なじみのない落語の内容にも、いつしか興味がわくが、落語の舞台となる時代が違うので、「落ち」がいまいち理解できない話も、、、時々ある。
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2010年04月25日 読了
死夢。死が迫っていることを告げる予知夢であり、死を受け入れる境地へと導く啓示夢である。
中学時代の友人が、猫が心臓のあたりにのしかかってくるという夢を見て次々と死んでいく。「悪夢による自殺」
湿気の多い部屋で一人置き去りにされたような心地悪さが、とても作者らしい。流れ的に結末は読めるが、この不気味さを味わうには充分。
しかし、まだ罪の告白が始まっていないにもかかわらず、すでに罪を犯したと断定している槇村の言動はかなり違和感があった。
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2010年04月24日 読了
夢に入り、人の魂魄を吸い生きる夢魔。
都の陰陽師である典明が対峙した夢魔は、一族のいずれもが相対してきた強敵であった。
見えない物を見、聞こえない物を聞く。人差し指に巻かれた金の糸から相手の夢に同化し、唯一夢魔を切れるという鬼切の刀を振るう。
すべてが夢に入る直前のうとうとと暖かい一時の出来事のような物語。自らの意味、生きることの意味を問うために書かれたというこの物語は、あてどない時間の流れの意味を問うたもののよう。
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2010年04月21日 読了
引きこもりの鳥井、誰よりも鳥井を最優先する坂木。
二人に依頼された動物園で起こった事件は、怪我をさせられた猫たちの謎。
3部作の最終話だった。
主要人物のキャラはとても面白いけど、彼らに巻き起こる事件や謎は、「ちゃんと」しすぎていて少ししらじらしく思える所もある。
まさに、正論で武装していた松谷のよう。
痛々しい過去と傷があるからなじめる内容。
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2010年04月17日 読了
落語誌の編集者になって1年。緑は、静岡で行われる春華亭古秋一門会の襲名口演に立ち会う。
今回も天才的な洞察力を持つ編集長・牧が予言めいた言葉を綴り、ほぼ終盤に至るまで声だけの登場となるのに存在感がある。
そしてネタになった「七度狐」を全く知らなくても少しづつ混ざる解説でするりと馴染め、取り込まれる。むしろ、長編なので落語にじっくり浸れた。
都合のいい進み具合もあったかもしれないけど、肝となった「古秋」の名前や、最後のうすら寒い執念までもが、気持ちよく残った。
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2010年04月11日 読了
東城大学病院に来たばかりの新米医師・世良が直面する大学病院の日々。
若き日の高階先生の活躍が見れる。そしてインターンとしてやってくる田口と速水。
医療に全く関係ない本として出ている「黄金地球儀」の話もちょっと絡み、知っていればほくそ笑むことができる。
ちょっと下火になっていた作者への興味を、またしっかりと掴みとられた気分。
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2010年04月10日 読了
9歳の少年が、母親を殺し、その血を飲んだ??
吸血鬼を思わせる連続殺人事件。
それらの殺人の共通点は、香水、そして暗殺虫。
気味の悪い真実が次々と浮かび上がり、背中が寒くなるのに止められない。
犯人の心情がところどころに書かれているけれど、そこからの推測は難しく、最後まで分からなかった。
不意に始まる決着戦のせいで、衝撃的な事実があまりにあっさり流されてしまっていてちょっともったいなかった。
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2010年04月04日 読了
若だんなは今日もせっせと病に伏せる。その隙間のちょっと気分のいい時に起こす言動が、周りの妖たちを大騒ぎさせる。
江戸の大店の一人息子が寝ながら考え、ご近所のやっかいごとを裏から解決していくシリーズ第3段。
この流れにも慣れてきて、こちらも寝転びながら読んでいられるくらいのんびりした作品。
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2010年03月31日 読了
保健所の精神科ソーシャルワーカーとして働く美知が担当することになったのは、ひきこもりの晃。
なんとか彼を変えていこうとする美知だが、やがて二人は静かな何かに落ちていく。
精神科の病気の話、恋愛の話。おそらく純粋だと二人は思っている愛の話だけど、どこかしら批判めいた感情が湧いてくるのはなぜだろう。
ひたすら無垢に、謙虚に、相手を思っているのに、いまいち同意できない。
主人公が一番ふがいない。
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2010年03月27日 読了
一億円、ほしくない?
そう言われてしぶしぶ乗った話は、人気のなくなった水族館から、かつてバブル時代に作られた黄金の地球儀を盗み出すこと。
ひどく大雑把な計画に見えて、おとぎ話のように進むけれど、最後はいろんな個々の陰謀が重なり合ってうまく作用していたことが分かる。
バチスタでの白鳥に当たる人物が、最後に種明かしをしてくれる。インパクトはあまりないけど、よく考えられている。
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