松井須磨子の舞台が忘れられず、女優になると決心した繁。
夫と子供を残して東京へ向かい、劇団でキャリアを積み、人気を得る。
女優・伊澤蘭奢の人生を、4人の男の目から描く。
一大決心をして上京し、あくまで舞台にこだわり、40歳で死ぬと言い、愛人や息子との時間を楽しんだ女性。
いろんなことが起こるが、まるで教科書のように淡々と紡がれるだけで、そのうえ4人から見た彼女像ということもあり、
印象が一貫しない。
さほど活躍したようにも見えず、「二十歳になったら死ぬんだもの」と言っていた駿雄の友人の妹のほうがよほど印象深かった。