2012年12月16日 読了
幕末、日本国を守るためには欧米の技を知り、海を守るべきだと説いて大砲を作らせた男、佐久間象山の物語。
力強く、何があっても屈せず、国のための戦略を考え続けた象山は、敵も多かったが庇護するものも多かった。
彼の考えていることが奇策にしか思えない者たちとの戦いが、かなり駆け足で描かれている。
晩年に考えていた空の守りなど、もう少し時間があればきっと成し得ていたに違いない。
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読書と編み物の記録
2012年12月16日 読了
幕末、日本国を守るためには欧米の技を知り、海を守るべきだと説いて大砲を作らせた男、佐久間象山の物語。
力強く、何があっても屈せず、国のための戦略を考え続けた象山は、敵も多かったが庇護するものも多かった。
彼の考えていることが奇策にしか思えない者たちとの戦いが、かなり駆け足で描かれている。
晩年に考えていた空の守りなど、もう少し時間があればきっと成し得ていたに違いない。
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2012年12月13日 読了
第57回江戸川乱歩賞受賞作。
世界仲の岩を完登してきたクライマーの水沢浹は、ある依頼を受ける。
「皇居に侵入し、樹齢550年の名盆栽「三代将軍」を盗み出せ」
タイトルの意味が全然わからない!
そう思って読み始めたら、突飛な話がおもしろくてどんどん進む。
始めの頃は、視点が定まらずにふらふらするために読みにくいが、後半は加速する。
奇抜なアイデアに奇抜な登場人物が、ありえない設定をより引き立てて、醒めさせない。
マンガ的だけど楽しかった。
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2012年12月11日 読了
革の修復をしている透子の店の向かい、川を挟んだマンションに、10年前に別れた元婚約者が引っ越してきた。
静かにつましく生きてきた透子の心に、冷たい傷が生まれる。
辛い事件の関係者として、じっと耐えて過ごしてきた10年。
透子の痛みや気持ちは分かりやすいけど、話の流れはわかりにくい。
少しづつ明らかにされていく過去というには、構成が不自然な感じがした。
そのために違和感が大きく、透子に感情移入するより嫌悪感が出た。
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2012年12月10日 読了
雪山に取り残された彼女、孤島に暮らす姉弟、居酒屋での謎解き、繋がった過去の破片。
それぞれの短編には、細かく区切られた時間の記録があって、時々は想像のままに終わる。
一つづつ読んでいくと、いくつかの物語で過去と繋がる場面が出てくる。
児童養護施設の七海学園で働く保育士の物語と。
彼らの別の角度からの話はとてもおもしろかった。
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2012年12月08日 読了
盗犯を担当しているベテラン刑事の萩尾が、その部下であり捜査一課に憧れている女性刑事の秋穂と共に連続で起こった窃盗を追う。
12時間後のちょうど同じ時間、すぐ近くで2件の事件が起こる。
1件目は強盗、2件目は窃盗。
それぞれは似ているようで違うため、担当している班が違う。
ところが3件目の窃盗が起こった時、その3件の関連に確証を持ってしまう萩尾。
今野敏の刑事もの。やはり安積班やその他の刑事ものと同じように「つぶやき」ぎみ。
刑事にとっては日常の、事件の一つを取り上げている。
淡々と、確実に。
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2012年12月04日 読了
東京の会社を辞めた里男は、従兄弟がやっている「海鳴屋」という小さな旅館で雇ってもらえることになり、北陸の小さな町へやってきた。
そこで働く条件として強引に入団させられたのは、カリブの楽器を奏でる集団。
スティール・パン・オーケストラ。
その音色は聞いたことがある。
ドラム缶を叩いて音階を奏でる。澄んだ音は「20世紀最後にして最大のアコースティック楽器発明」と言われているそう。
楽団は素人集団の趣味程度だと聞いていたのに、集まる人々は個性的で陰があり、彼らとかかわるうちに里男はいろんな思いを巡らす。
淡々と、人々の様子とかかわりを描き、変えていく。
単調な分、穏やかだけど飽きる。
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2012年11月29日 読了
下町にある小さな阿岐本組。地域とともに長く暮らしてきたのだが、今の組長は少し変りもので。。。
今度は病院の立て直しに乗り出した。
一見して堅気ではない者たちが病院をうろつく姿に、眉をひそめる人たち。
しかし組長は気にする風もなく、にこにこと下の者たちに指令を出す。
ヤクザ達がつぶれそうな病院に顔を出したと言ったら恐ろしいことを考えるものだが、彼らは逆に笑顔を与えていく。
冷や冷やするようなヤクザものではないので、気楽に読めて最後はとてもすっきりする。
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2012年11月27日 読了
長屋に暮らす者たちの起こす、ちょっとだけやっかいな問題。
長屋の問題はみんなで解決!そううそぶく一番のいばりんぼの女房がみんなを集め、あれやこれやと策を練る。
最初は面白い小話だと思ったけど、だんだん失速。
最後はなんだかおとぎ話のような夢物語のようなもので終わる。
キャラはどっしりと作りこんであるのに話がうわべだけのようでもったいない。
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2012年11月25日 読了
隠居の身である茂平は、日がな一日することもなく、湯屋へいったり散歩をしたりと、まだまだ達者な体で暇を持て余している。
そして茂平は、ちょっとしたお愛想のつもりで軽い「ほら」をふく。
穏やかな江戸の暮らしを楽しげに描く。
ほら吹きでも、せっかちでも、困った癖を明るく見つめて嫌味がないから、頼もしい個性に思えてくる。
いくつかの短編で、ちょっと変わった「癖」をもつ尼僧の話は心を温かくした。
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2012年11月23日 読了
北海道の田舎町に、一両編成の列車がゆっくり走る。
高校2年の仲良し3人組は、そんな海っぱたの砂浜に、ある日赤いテントが建っているのに気づいた。
そのテントの主は光太郎といい、人を探してやってきたと言う。
3人は、同じ学校の仲良しとともに、そのテントの主である光太郎の旅の目的を果たそうとする。
悲しい過去も今ある辛さや苦労も、優しく語れば少しだけ軽くなるような気がする。
そんな作者の思いが書かれているような物語。
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