伏 贋作・里見八犬伝


2012年11月22日 読了
 里見八犬伝・・・・の贋作である。
猟師の娘が兄を頼って江戸にでてきたら、犬人間がさらし首になっているところに出くわす。
娘は兄とともに、犬と人との交わりモノである「伏」を狩る。なぜなら猟師だから。

 元の物語を良く知らないためか、これはこれでおもしろかった。
この人の本では、初めて面白いと思えたものである。他は全く趣味に合わないけれど。
江戸のお話なのに、現代ふうな言葉をつなぎ、分かりやすい。
原作好きには許せないところもあるかもしれないけど、全く別の話として楽しめる。

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転迷―隠蔽捜査4


2012年11月19日 読了
 大森署署長・竜崎伸也の眠れない日々。
変死した外務官僚、ひき逃げ、放火。同時期に起こった事件の様子をうかがううちに、不思議な共通点に気付く竜崎。
 作者は警察小説をたくさん出しているため、区別がつかなくなってきた。

 頭が固くて関わりにくい人物かと思っていた竜崎が、その体裁やメンツを気にしないところが逆に功を奏す。
とてもおもしろくて頼もしい人物。

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カンタ


2012年11月15日 読了
 幼馴染の汗多と耀司。カンタは人の感情が読めず、耀司は美しく頭がいい。二人とも父親がいない。
二人は自由になるために、お金を持とうと決める。

 今までの石田衣良とは違った雰囲気。
二人は本当にどんな時も一緒でお互いを思っているけど、キャラクターがどことなく徹底してない。
耀司は騙されていろんなものを失うが、あきらかに怪しいものに手をだすのは頭のいい彼らしくないし、カンタは時々耀司のような考え方をする。
 特徴のない普通の人間が二人いるだけに見える部分があり、もう少し極端に書きわけてほしかった。

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モンスター・シークレット


2012年11月13日 読了
 新聞記者の梢は、フランスの寄宿学校にいる息子に会いに行こうとパリへ向かう。
ところが、空港で息子には会えず、しかも後見人である友人は死体となっていた。

 読み進めるうちに監察医となったシャルルが登場。
懐かしくてうれしくて期待したけど、天才のはずのシャルルはいまいちキレがなて、ごく普通の発想しか出てこない。
梢の言動も共感できない。
ナポレオンに対する姿勢だけはすごいと思うものの、協力者はシャルルじゃないほうが面白いものになった気がする。

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新興宗教オモイデ教


2012年11月11日 読了
 突然学校から消えたなつみさんは、新興宗教オモイデ教の信者となっていた。
メグマという術を使い、人を狂い殺すというその力を、僕も使えると言う。

 大槻ケンジのおかしな小説。
彼の他の小説より力はないが、独特の気持ち悪さはいたるところに出てくる。
でもそのオドロオドロしさが、まだ少し物足りない。

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囲碁小町 嫁入り七番勝負


2012年11月10日 読了
 七番勝負に負けたら嫁に来てもらう。
そんな無茶な申し出をよく知らずに承諾してしまったおりつが、いろんな出会いと共に石をうつ。

 町娘が囲碁を始め、町の腕自慢を打ち負かしてきたためについたあだ名が「囲碁小町」。
そのおりつの勝負は、囲碁を知らなくてもついていけるように書かれている。勝負ごとに出会う自分より強い者たちがとても魅力的で、最後の、哀しみのなかでの囲碁は印象的。
婿になるかもしれなかった人との今後の関係も気になるところ。

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ポリス猫DCの事件簿


2012年11月08日 読了
 神奈川県の盲腸と呼ばれる葉崎半島の先に、猫がメインの島がある。通称「猫島」と呼ばれるその島にある、派出所勤務のおまわりさん。仮説の派出所に毎日通ってくるおまわりさんと、そこに住みつくドラ猫DCの、てんてこまいな毎日。

 ちょっと頼りないおまわりさんと、まるで上司のような猫のコンビ。だけど長閑な事件もやっかいな住人も、なんだかあまり生彩がない。同じような設定ならもっと面白いものはたくさんある。

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裁くのは僕たちだ


2012年11月07日 読了
 裁判員制度によって偶然選ばれた主人公は、ある殺人事件の裁判に出向くことに。
動機もあり、目撃者もいる。すぐに終わると思っていたのに、事件の関係者が接触してきた。

 このネタは多い。だけどちっともおもしろくない。
これもやはりがっかりしただけだった。

つむじダブル


2012年11月04日 読了
 二人の作家が兄妹それぞれの視点で描く、一つの家族。
仲が良くて、大好きな家族に、ある日1本の電話が入る。
お母さんは絶対知ってる人のはずなのに、「知らない人」だと言う。
 妹のまどかがチクリと胸に感じた違和感が、自分の知らないお母さんの過去と繋がる。

 二人の作家の合作。
どちらも優しく優しく話を紡ぐ作家さんで、交互に書かれているはずなのに少しも違和感なく読み進められる。
最後に兄のユイチが語る推理は安易で、ちょっと違うかなぁと思ったりもしたけど、高校生の男の子の考えとしては正解なのかもしれない。
 本当はもうちょっと隠れていそう。

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夏草のフーガ


2012年11月04日 読了
 大好きなおばぁちゃんの通っていた望桜学園という中高一貫のミッション系の女子校を志望した主人公・夏草。
憧れていた学校に通えることになったのに、ある日おばぁちゃんが倒れ、13歳の頃に戻ってしまった。

 自分と同じ年だと言い張るおばぁちゃんと一緒に暮らすうち、おばぁちゃんの言った「罪」が気になりだす。
こんなに長い間秘めていた罪とはなんだったのか。

 ゆっくり丁寧に書かれているけど、それほど意味もない。

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夏草のフーガ [ ほしおさなえ ]
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