2012年11月13日 読了
新聞記者の梢は、フランスの寄宿学校にいる息子に会いに行こうとパリへ向かう。
ところが、空港で息子には会えず、しかも後見人である友人は死体となっていた。
読み進めるうちに監察医となったシャルルが登場。
懐かしくてうれしくて期待したけど、天才のはずのシャルルはいまいちキレがなて、ごく普通の発想しか出てこない。
梢の言動も共感できない。
ナポレオンに対する姿勢だけはすごいと思うものの、協力者はシャルルじゃないほうが面白いものになった気がする。
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読書と手芸の記録
2012年11月13日 読了
新聞記者の梢は、フランスの寄宿学校にいる息子に会いに行こうとパリへ向かう。
ところが、空港で息子には会えず、しかも後見人である友人は死体となっていた。
読み進めるうちに監察医となったシャルルが登場。
懐かしくてうれしくて期待したけど、天才のはずのシャルルはいまいちキレがなて、ごく普通の発想しか出てこない。
梢の言動も共感できない。
ナポレオンに対する姿勢だけはすごいと思うものの、協力者はシャルルじゃないほうが面白いものになった気がする。
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2012年11月11日 読了
突然学校から消えたなつみさんは、新興宗教オモイデ教の信者となっていた。
メグマという術を使い、人を狂い殺すというその力を、僕も使えると言う。
大槻ケンジのおかしな小説。
彼の他の小説より力はないが、独特の気持ち悪さはいたるところに出てくる。
でもそのオドロオドロしさが、まだ少し物足りない。
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2012年11月10日 読了
七番勝負に負けたら嫁に来てもらう。
そんな無茶な申し出をよく知らずに承諾してしまったおりつが、いろんな出会いと共に石をうつ。
町娘が囲碁を始め、町の腕自慢を打ち負かしてきたためについたあだ名が「囲碁小町」。
そのおりつの勝負は、囲碁を知らなくてもついていけるように書かれている。勝負ごとに出会う自分より強い者たちがとても魅力的で、最後の、哀しみのなかでの囲碁は印象的。
婿になるかもしれなかった人との今後の関係も気になるところ。
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2012年11月08日 読了
神奈川県の盲腸と呼ばれる葉崎半島の先に、猫がメインの島がある。通称「猫島」と呼ばれるその島にある、派出所勤務のおまわりさん。仮説の派出所に毎日通ってくるおまわりさんと、そこに住みつくドラ猫DCの、てんてこまいな毎日。
ちょっと頼りないおまわりさんと、まるで上司のような猫のコンビ。だけど長閑な事件もやっかいな住人も、なんだかあまり生彩がない。同じような設定ならもっと面白いものはたくさんある。
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2012年11月07日 読了
裁判員制度によって偶然選ばれた主人公は、ある殺人事件の裁判に出向くことに。
動機もあり、目撃者もいる。すぐに終わると思っていたのに、事件の関係者が接触してきた。
このネタは多い。だけどちっともおもしろくない。
これもやはりがっかりしただけだった。
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2012年11月04日 読了
二人の作家が兄妹それぞれの視点で描く、一つの家族。
仲が良くて、大好きな家族に、ある日1本の電話が入る。
お母さんは絶対知ってる人のはずなのに、「知らない人」だと言う。
妹のまどかがチクリと胸に感じた違和感が、自分の知らないお母さんの過去と繋がる。
二人の作家の合作。
どちらも優しく優しく話を紡ぐ作家さんで、交互に書かれているはずなのに少しも違和感なく読み進められる。
最後に兄のユイチが語る推理は安易で、ちょっと違うかなぁと思ったりもしたけど、高校生の男の子の考えとしては正解なのかもしれない。
本当はもうちょっと隠れていそう。
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2012年11月04日 読了
大好きなおばぁちゃんの通っていた望桜学園という中高一貫のミッション系の女子校を志望した主人公・夏草。
憧れていた学校に通えることになったのに、ある日おばぁちゃんが倒れ、13歳の頃に戻ってしまった。
自分と同じ年だと言い張るおばぁちゃんと一緒に暮らすうち、おばぁちゃんの言った「罪」が気になりだす。
こんなに長い間秘めていた罪とはなんだったのか。
ゆっくり丁寧に書かれているけど、それほど意味もない。
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2012年11月02日 読了
7人の人たちがむかえるいろんな死。
人はいろんな死に方をする。
それぞれは短い話だけど、強い何かを残す。
怖さだったり哀しみだったり。
ホラーに近いので想像するのがとても恐ろしい。
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2012年10月30日 読了
江戸時代、身分ある者達が庶民の生活を覗き見るために、それを再現した偽の宿場町。
それは精巧に作られたおもちゃと言える。
とある藩士の時代、そこに本物の庶民を暮らさせた。
そこに住む人々は、通常は普通に生活をしつつ、藩公や賓客の場合にはすぐさま姿を消さなければならない。まさに蛻の空に。
籠の虫のような生活の中で、住民が殺され、人々が隣人さえも恐れるようになる。
静かに細く息をしなければ生きていけないような世界で、突然精神の切れる音を聞くような、じわりと恐ろしい物語。
派手ではないし、始めは読みにくいと感じるけれど、投げやりにならないで見るべきものを見た者たちの強い心が伝わってくる。
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2012年10月28日 読了
観光立県をめざし、「おもてなし課」を作ったはいいが、まず何をする?
なにかにつけゆるい公務員の思いつきに、「観光特使」となった作家はあきれ返る。
いいたい放題にこきおろされた課の面々は、民間との意識の差を思い知らされて戸惑いながらも、もっともな意見に頷かざるを得ない。
有川さんお得意の甘い恋愛模様もしっかりありながらも、やはり辛口から入る。
地元への思い入れと批判をきっちり書き出してはいるけど、最後の大詰めにあたる結論は、ちょっとインパクトがなく物足りない。
そこは事実に基づいた結果を採用したからなのかもしれないが、小説という場なら、もっと大きな「観光」を打ち出せたはず。
話題になったわりにはフェードアウトした感があって消化不良。
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