2011年12月23日 読了
日本人の純潔を何よりも大事に思う武道家と、一つの国の伝統だけにこだわらず、異国に渡りそれぞれに進化した物の美しさを愛でる骨董屋。
二つの思想が少しずつ数を増やし、やがて政治に絡みつく。
古い自費出版の本から、戦後日本で大きな力を手に入れた三者を辿るうち、鳩やサーシャの過去も少しずつ語られていく。
美しい人形のようだったサーシャが、やっと人間らしい姿を見せてくれるようになって、なんだかとてもうれしい。
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読書と手芸の記録
2011年12月23日 読了
日本人の純潔を何よりも大事に思う武道家と、一つの国の伝統だけにこだわらず、異国に渡りそれぞれに進化した物の美しさを愛でる骨董屋。
二つの思想が少しずつ数を増やし、やがて政治に絡みつく。
古い自費出版の本から、戦後日本で大きな力を手に入れた三者を辿るうち、鳩やサーシャの過去も少しずつ語られていく。
美しい人形のようだったサーシャが、やっと人間らしい姿を見せてくれるようになって、なんだかとてもうれしい。
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2011年12月21日 読了
誰がどんなルートでさばいているのか依然つかめないまま、広がりつつあるファービーの常用者。
今回は、美しい占い師ドゥルダにそそのかされた製薬会社の兄妹たちが主役。
4人の愛人に次々に子供を産ませ、子を引き取ったら母親は金と引き替えに地方へと追いやっていた父。
そんな父から愛情を少しももらえなかった子ら4人。
母を探す者、父を追い詰める者、蹴落とそうとする者。
そんな兄妹を囲むように暗躍するサーシャやすみれ。
いろんな繋がりが見えて来て、これまでの話をよく思い出さないと迷いそうになる。
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2011年12月18日 読了
身を切られるような痛みすら欲しいと思ってしまう、タイトルのイメージそのままの、恋。
今に満足していても、仕掛けられた罠がすぐそこに見えても、恋に落ちただけで全てを捨てる理由になる。
今回の生贄は、地位も家庭もある、ごく普通の役人。
今までのメンバーがせわしなく登場する。
亮司の影が薄くなってきた。
サーシャは相変わらず、ほとんど出番はないくせに存在感は大きい。
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2011年12月15日 読了
武を極め、その力を披露し競う大会「武宮大賽」。
それに向け、師である仙人の弓を作ることを命ぜられた千里は、材料集めの旅に出た。
そして苦難の後、「武宮大賽」に臨む千里たちは、かつて仲間として戦った者と相対することになった。
何かが弾け、新しい物が見え始めた時、物語が終わる。
続きはすぐにやってくるだろうか。
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2011年12月13日 読了
明治になって間もない頃、外国人の多く住む横浜で起こる不思議な事件を解く新聞記者・ワーグマン。
正統派の推理小説の流れ。
タイトルになっている「消えた山高帽子」が一番後味良く粋でよかった。
でも人物紹介で謳われているほどの魅力は見えなかった。
他の作品も読んでみようかな。
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2011年12月12日 読了
鳩が奪った新しい薬。
そのせいで、鳩はどこからも追われる身となっていた。
ハトを探せと命ぜられた少年と、その少年の家で暮らす家出少女が、お互いを思いながらもやはり闇を振りほどけない。
毎回、決して戻れない坂を下る若者に注目して進む物語。
サーシャが企む革命と、すみれの望む未来が、どうつながるのかがとても楽しみだ。
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2011年12月11日 読了
今回の主人公は、カンボジアから難民として日本にやってきた鳩。
1作目の亮司のような危なっかしさを持つ。
周りの誰も、お互いを利用し合い、奪い合い、愛し合い、裏切る。
亮司やサーシャだけでなく、前回行方不明のままだった亜由も登場。
彼らの革命はまだ姿が見えないが、亮司の成長が見えてうれしい。
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2011年12月09日 読了
調査の帰りに遭難した町で起こった吸血鬼騒ぎに興味をもった二人。今回は正式なバチカンからの仕事ではないため、どこか雰囲気がやわらかい。
プラチナブロンドと、明るく鮮やかな青い目を持つ領主。
何世代も前から時折起こる吸血鬼の被害。
専門外の出来事に興味を持ち、調べを進めることに決めた二人。
そしてやっぱり平賀がピンチに陥り、ロベルトは気をもむ。
ちょっとした外伝かブレイクと言った感じで、少し物足りないけど次へのプロローグが含まれていたので期待したい。
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2011年12月05日 読了
Revolutionシリーズの始まり。
―革命を起こさないか、この国に。
そう囁く声に抵抗することはできない。
道を外れてしまったまま戻ることもできず、闇に落ちてゆく人生のなかで、いったい誰を信じるか。
主人公の成長と共に見えてくる他の登場人物の過去と思いが、ものすごい勢いで迫ってきて苦しくなる。
鉱物シリーズの登場人物にも出会えた。
でも彼は、鉱物シリーズでの方が魅力的。
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2011年12月03日 読了
元新聞記者が、葉山との待ち合わせに動物園を指定した。
彼の話を聞くために、葉山は色々な動物の檻を見つめる。
アニマル・スターと呼ばれた人物は、いずれスパイになりそうな人物を様々な国に紹介していた。そして彼が野に放った者の中から、いつしか大物が育っていた。
小さな仕事の積みね、繋ぎあわされた短編。葉山の勘が冴える。
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