2010年11月20日 読了
雑誌記者の斉木。外語大を卒業し、7ヶ国語を操る斉木は、様々な国へと取材へ出かける。
道を知る者とラクダがいなければすぐさま死につながる砂漠。聖人の存在を信じ続ける修道女。自分たち以外は無いに等しいとまで言い切る部族。
物語の一つ一つに、必ず含まれる『ただ言ってないこと』。
消して秘密じゃないし、ただこちらが勝手に思い込んでいただけなのだが、その事実を明言していないことで起こる勘違いが、結末を惹きたてる。
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読書と編み物の記録
2010年11月20日 読了
雑誌記者の斉木。外語大を卒業し、7ヶ国語を操る斉木は、様々な国へと取材へ出かける。
道を知る者とラクダがいなければすぐさま死につながる砂漠。聖人の存在を信じ続ける修道女。自分たち以外は無いに等しいとまで言い切る部族。
物語の一つ一つに、必ず含まれる『ただ言ってないこと』。
消して秘密じゃないし、ただこちらが勝手に思い込んでいただけなのだが、その事実を明言していないことで起こる勘違いが、結末を惹きたてる。
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2010年11月14日 読了
成南電気工科大学機械制御研究部。略称「機研」。
無理や無茶といった言葉を知らない若い男子大生たちの、「本気で遊ぶ」大学生活。
自分も工学部だったせいか、どこか親近感が沸く。本当に男ばかりの環境では、きっともっと想像もつかないようなことが起こっているんじゃないかといつも思っていた。
見ているだけでも楽しくて、仲間に入りたくてしょうがないけれど、女が一人入るだけでいつもの楽しさは半減するんだろうなぁ。
大学時代の馬鹿騒ぎ加減は「鴨川ホルモー」よりも上品だが、パワーは負けてない。
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2010年11月11日 読了
知らない女の子を殺してしまった。事故だったけど。たまたま僕がそこにいただけ。でも、僕が死んだらあの子にあやまれるかな。
ビルの屋上で飛び降りようとした少年を、とっさに止めた少女がいた。
二人の出会いは、これは運命??
「子供は守らなければならない」作者は必ずそれを作品に示す。
詳しくは語られない事件を根として、穏やかに穏やかに進む物語。
どうしようもないけれど、絶対に失望はしない物語。
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2010年11月07日 読了
旅行会社の企画課にいた遠藤は、閑職といわれる成田空港支所に飛ばされてきた。出世コースから外れたと思ってむくれる遠藤。
空港の仕事、本社との連携、カウンターの女の子たち。トラブルごとにわかってくること。
大きな事件はないから、突飛だったり奇抜だったりする解決法も出てこないけど、日々の仕事ってこんなんだよなーって思ってうんざりできるくらいに面白い。
そして「あぽやん」・・・。
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2010年11月03日 読了
ある日届いた同窓会の通知。
なぜか行く気になって向かった主人公・準一は、かつて親友だった押田のことをまったく覚えていなかった。
記憶からなくなっている親友、母親の記憶を<思い出す>少女、その少女を治療する女性。
すべてに共通するのは、寂れて人がいなくなりつつある団地。
人間とは違う<彼ら>の気配がする、記憶がある、思いに気づく。
気味の悪さが徐々に優しさへと変わっていくが、映画にありそうな設定。
懐かしい思い出はどこかが変化しているかもしれないという曖昧な不安をストーリーにしたらこんな感じ?
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2010年10月31日 読了
便利屋の二人。年をとるとなにかしら闇や傷を持ち、時々それらを思い出しながらも目の前のことを頑張っている。
淡々と生きているように見える二人がしている、便利屋という仕事。前作を読んだのはいつなのか覚えていないのに、二人のことは割といつも気になっていた。 そんな続編には、やはり退屈な仕事の裏にいろんなものが見える。
雨の日に読むにはぴったり。
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2010年10月27日 読了
ある大企業の研究員・木島が、社長と間違われて誘拐される。
連れて行かれた山中の古い家の中で芽生える一体感。
事件であり、重い罪なのだが、どこか浮遊感が漂う。
中頃で出てくる誘拐犯と木島との一時の癒し「ファイアー・フライ」が、さらに幻想的な余韻を残す。
最終的に行きつくところは妥当といえるのかもしれないが、すっきりと気持ちの整理ができたのは主人公の木島だけ。
読んでいるこちらはどこか納得いかなかった。
読者が男性ならまた違った感想があるのかもしれない。
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2010年10月25日 読了
武士の家に生まれながらも、大砲や銃を習い、新しい世の足音を聞いた一人の娘。
少しも女らしくない自分にうんざりしながら、なぜ女の道は一つしかないのかと疑問に思う八重が、幕末の会津藩で銃を持つ姿を描く。
西洋史に深く、フランスやナポレオンの話を多く出してきた作者が、日本の歴史を?
不思議な気持ちで手に取ったはいいものの、人物の活かし方がちょっと物足りなく感じる。まだ馴染んでいない?
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2010年10月20日 読了
銃撃を受け、捜査の最前線から離れた須藤。リハビリを兼ねて配属されたのが警視庁総務部総務課動植物管理係。容疑者のペットを保護する部署なのだが。
動物マニアの薄巡査と共に現場へ向かい、ペットの世話をしつつ、謎を解き明かす。
古くからある名探偵モノと同じように、ヒラメキがすべての鍵となる。ある意味動物が主役。結末は想像の通り。
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2010年10月16日 読了
洞爺湖サミット目前、成田空港において謎の言葉を残した男が死んだ。
その謎を探るべく一人のキャリア・伊賀に特命が下る。
ただの密入国だと思われていたが、やがてそれは日本政府の秘められた過去を暴く鍵となる。
重く暗い流れで進み、じわじわと正気を失わせるような闇を描く。途中で飽きがくる。
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