2010年09月03日 読了
50時間起きて20時間眠る体質。拾った二億円。突然消えた母。強盗に殺された父。
さらっと闇に巻き込まれ、周りの人間を引きつけながら二億円と過去の犯罪をも取り込もうとする主人公。
ミステリなのに爽やかな感じで流れるやり方は作者らしい。
飛び込んできた女の子とあっさり恋仲になるのは草食系ゆえか。
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読書と編み物の記録
2010年09月03日 読了
50時間起きて20時間眠る体質。拾った二億円。突然消えた母。強盗に殺された父。
さらっと闇に巻き込まれ、周りの人間を引きつけながら二億円と過去の犯罪をも取り込もうとする主人公。
ミステリなのに爽やかな感じで流れるやり方は作者らしい。
飛び込んできた女の子とあっさり恋仲になるのは草食系ゆえか。
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2010年08月28日 読了
目の前で母を、腕の中で妹を失った。
空襲により地獄と化した仙台で、途方に暮れる主人公が生きる様を描く。
決して前向きな方ではなく、ただ生真面目なだけの主人公だが、少しずつ何かを覚悟して生きる様子は切実。
でも最後の打ち入りはなんだか2時間ドラマの強引な収束と似ていて無茶がすぎた感がある。
その点を除けば途切れなく興味をそそる文体で、最後まで一気に読めた。
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2010年08月25日 読了
人工知能の研究を目的とした子供型ロボットに心理を学ばせ、ヒトの表情や声のトーンを察知して相手の心を推し量ったり、ナノマシーンを体に入れて治療やダイエットをしたり、ほとんどすべての家事を代行してくれる家だったり。
近未来の日本、色々な技術で今よりもずっと暮らしやすかったりするはずなのに、困惑も悩みも解決法まで、今とすっかり同じ。
そんな皮肉めいた哀しみが淡々と語られる。
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2010年08月24日 読了
不良が咄家に弟子入りした。
1年がたっても下っ端で、理不尽な師匠も相変わらず。
サクサクと進み、読みやすい。
馴染んだ関西弁がメインだから、ニュアンスやスピード感が心地よい。
もちろん落語を知らなくても充分楽しめた。
ありふれた感はあるものの、若者らしい怖いもの知らずの主人公が楽しくて、「伝統芸能の世界でも、いずれこんな奴が出てくるかもなぁ」と思わせる。
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2010年08月21日 読了
ホームズとワトソンの鳥井と坂木。
彼らの世界は少しずつ広がる。
もうすっかり認知された二人の関係だが、今回は鳥井の弱い部分はほとんどなかった。でもそれは、鳥井の鳥井らしさが少しなくなってしまったようで寂しい。
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2010年08月20日 読了
引きこもりの友人・鳥井を、出来るだけ外に連れ出そうとして、いろんな問題を持ち込む主人公・坂木。
いつもは口も態度も悪くて愛想もない鳥井だが、その洞察力は引きこもっている人とは思えないほど「ヒト」を読み解いていく。
そんな鳥井が、坂木の感情の揺れに呼応して自分も揺さぶられてしまう危うさが、なんだかとても愛しくなる。
一瞬のうちに子供の口調になり、さっきまでの冷たいほどの理知的な顔がぐちゃぐちゃに崩れる様は、滑稽だけど人ごとじゃない気がする。怖いけれど目が離せない。
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2010年08月16日 読了
ある日、男の子を拾った。
マンガでもあったような設定。出てくるのは雑草。
道草の話ばかりで飽きが来た頃、やっと恋の話がやってくる。
そして作者お得意の甘々な描写。
男では絶対思いつかないやり方、少女マンガかと思える内容で少し胸やけしそうだが、この人は絶対最後はハッピーエンドだとわかっているから読み続けられる。
まぁ実際こんなことされたらもうダメだろうなって感じ。女の子の妄想が走りまくってる。
その分主人公の魅力は他の作品にくらべてかなり低い気がして残念。
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2010年08月12日 読了
大学の山岳部の頃からのパートナー・安西が、難易度の低い塩尻岳で滑落した。
どうしてもその事実が認められず、一人事実を掴もうと動き始める主人公。山岳ミステリ。
これまで読んできたこの人の作品とは全く違った作風で、本当に同じ人なのかと疑ってしまうくらいだった。
山のことは全く知らないので、道具類の名前などわからないものだらけだったが、そんなことは気にさせない。
最後は観念的なところもあったがうまくプラスへ導いた。
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2010年08月12日 読了
絨毯商人のアブダラは、ある日空飛ぶ絨毯を買う。それを使い毎夜出会う美しい姫と恋に落ちたアブダラは、駆け落ちする直前で魔神に姫をさらわれてしまう。。。
あれ、ハウルが出てこない。まだ出ない。出ない出ない。。。
と、思いつつ読み進め、いつの間にはアブダラの恋物語として楽しんでいる頃、ハウルと結婚したソフィーが登場する。
そして実はハウルもカルシファーも側にいた。
ゆっくり流れる砂漠の時間のような前半と、喜びをさえずる鳥たちがさわがしいオアシスにいるような後半。
普段、私はほかの人の書評は読まないけれど、洋書だった場合は訳者のだけは読む。作者の国の風習や言い回しなど、独特の流れを教えてくれる場合が多いから。やっぱり原書で読めればもっとおもしろいんだろうなぁ。。。
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2010年08月08日 読了
財政破綻目前の極北市。そこにやってきた医師・今中はあまりの実情にがく然とする。
極北の病院が舞台というので、てっきりジェネラル・速水の話かと思っていたら違った。小さなコミュニティでいつの間にか出来上がった不文律がまかり通る場所で、外からの参入はさぞ居心地が悪いだろう。前半はまさにその居心地の悪さがこれでもかと描きだされ、今中と同様にこちらもげんなりする。
海堂の作品はいつも後半で走り出す。やっと個々の役割が見えてき、読む速度も増す。
今回は白鳥ではなく姫宮が一陣の風となった。
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