千里眼 優しい悪魔 上


2009年06月13日 読了
 久しぶりの千里眼。
登場するたびにだんだん憎めなくなってくるダビデとの共同作戦の話。相変わらず鮮やかな解決でした。
 でも、今までの作品では冒頭に出てきた人や出来事が必ず最後に出てきて、最初と最後が見事に繋がったのだけど、今回はそれが薄かった。そのため、下巻だけでも充分だったんじゃないかという印象。
 まだまだ続きそう。ちょっとクドイけど。

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花水木―東京湾臨海署安積班


2009年06月11日 読了
 今ドラマにもなってる安積班シリーズの短編集。
昔単行本でも読んだことがあるけど、忘れてたわ。
 仕事仲間が仲の良い仲間ばかりなんてあり得なくて、ちょっと気に障るところもあるけど信頼はしている、そんなところも描かれている。
 この人の警察シリーズは割と好きだけど、安積さんのシリーズは短編が多くて忘れがち。
 でもなんだか安心して読める。

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とっても不幸な幸運


2009年05月31日 読了
 新宿の片隅にある酒場、その名も「酒場」。
そこに集う常連と店長の手になぜか転がり込む、100円均一の「とっても不幸な幸運」という名の缶。
 その缶をあけると何かが見え、何かが起こる。
缶を開けた人の運命を少しずつ変えていく、短編集。

 「しゃばけ」の作者であるがゆえに短編は得意なのだろう。
一つ一つがきれいにまとまり、それぞれの主人公の人生を鮮やかに語りだす。家族のようにそっけなく、信頼し、助けあう人たちの歴史。
 ただ、短編であるがゆえに印象は薄く、余韻も少ない。
この人の長編をもっと読みたいな。

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骨の記憶


2009年05月27日 読了
 人生の終焉を迎えようとしている夫婦。
癌に冒された夫を心の底からいたわり、看取るつもりでいた妻のもとに送られてきた一つの小包。
 そこから物語は始まる。

 ・・・・と思ったらいきなり時代が巻き戻り、しかも主人公が入れ替わった!
 
 小包の送り主が送った一生を子細に語り、死を前にしてやり遂げた事とは。
 貧しい出の少年が勝ち組へと上り詰める過程が細やかに描かれていて、心の動きまでしっかりと見えてくる。その一生が物語のほとんどを占め、ざくざくと読めるので気持ちがいい。
 プロローグの老夫婦につながるまでは見事だが、エピローグは納得がいかない。愛憎は表裏一体とはいえ、一人の人の性格がこうも変わってしまうものかという疑問。まだやることがあると思いつくが、それに辿りつく感情もなおざりで物足りない。彼らの人生はどんなものだったのかが全くわからないために、その愛情と恨みの深さが全く想像できないからだ。
 全体的にはおもしろかったし満足だけど、最後でコケた感が否めないのが残念。

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カフェ・コッペリア


2009年05月23日 読了
 近未来、様々な技術により生活が変わっても人の心の動きはさして変わらない。
 人間とAIが恋愛相談にのってくれるカフェ、アロマペットを手に入れたOL,先端技術を駆使した美容院などなど。。。

 ささやかな日常だけど少し苦しい、そんな場面を切り取った作品。
 個人的には「エクステ効果」と「笑い袋」が面白く読めた。ただ他の作品については中途半端であるような気がしてならない。読み終わったころには内容を忘れてしまっている。

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中空


2009年05月23日 読了
 数十年に一度開花し、その後一斉に枯死するという竹。
その花が一斉に咲き乱れる様を写真に収めるため訪れた村では、不思議なルールと習慣で成り立っていた。
 そしてそこで起こる奇妙な出来事。

 プロローグの前に書かれた注意書きを読んだ時点である種の嫌悪感が生まれた。
 続きを読むかどうかを迷ったが、淡々と進められる内容からはそれほど嫌な感じはうけなかった。

 村の象徴である竹が最後に見せる表情。その竹と運命を共にしたような村。切なさを残しながらも一つの解決へと導かれた話はきっちりと収まっている。それで充分か。

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セカンド・サイト


2009年05月17日 読了
 第20回サントリーミステリー大賞受賞作。
キャバクラのボーイである主人公が、キャストの女性たちの間に流れる暗いしがらみを辿っていくうちに出くわす事実。
 最初はストーカー被害の相談だったり連続通り魔事件への危惧だったりしたものが、やがてすべてを繋げる大きな輪の中に取り込まれていく話。

 ミステリーというだけあって、最初は些細なことが次第に大事へと発展していく様は見事。
 満足度は低めに設定したけれど、初作品なら上等。
他の作品も是非読みたい。

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セカンド・サイト [ 中野順一 ]
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山猫


2009年05月16日 読了
 恩師だった人が殺された。
フリーのライターである主人公に依頼された窃盗事件の、初めての被害者。
 「山猫」と名乗るその窃盗犯を追っていた主人公の前に、本人が現れた!

 八雲シリーズの作者らしい文で、豪快に読める一冊。
八雲に比べると下ネタも豪快。

 でも清々しいくらいの展開で見事に終わらせてくれる。
不快な余韻を一つも残さないのは上手い。

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山猫 [ 神永学 ]
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夜を守る


2009年05月10日 読了
 上野、アメ横で暮らす4人の幼馴染。少年たちがある日出会った老人の話がきっかけで、夜のパトロールを始めた。
街が少しでも良くなるように。。。

 少年たちが出会う人たちや事件、その雰囲気はIWGPと同じ。
作者の文章と世界は、健在。
無理をせず、目の前のことを一生懸命にやる。
そんな少年たちの小説が多い作者らしい作品。

 この人の作品を読み始めたころは、主人公たちと同世代だったはずなのに、今では私のほうが超えてしまっている。
それでも読んだ後は、そのころと同じように満足している。

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夜を守る [ 石田衣良 ]
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少年検閲官


2009年05月06日 読了
 書物の所有を禁じられた世界。書物を隠し持つ者はすべからく駆逐されてゆく。人々は「犯罪」の意味すら知らない。

 失われた「ミステリ」を求めて旅をする少年と、書物の検閲をするために育てられた少年たちの探偵物語。

 物語半ばまで、全くテーマが見えなかった。何に注目させたいのか、いまひとつ主旨がわからないまま半分まで過ぎて、やっと検閲官登場。タイトルにたどり着くまでが長すぎる。しかも主人公は検閲官じゃない。確かにミステリで、事件もあって解決もするけど、いまいち盛り上がりに欠ける。
 事件の真相は納得できておもしろいけど、半分で済んだんじゃ?

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少年検閲官 (東京創元社・ミステリ・フロンティア) [ 北山猛邦 ]
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