心霊探偵八雲 1


2009年05月02日 読了
 ライトノベル的、1冊2時間くらいで読める。
片目が赤く、その眼のせいで幽霊が見えてしまう主人公の少年。
持ち込まれる様々な事件。その過程で明らかになってくる彼の出生や過去と、そこからの成長。
 前からずっと気にはなっていたけれど、どうも子供っぽいような気がして避けていたシリーズ。思いのほかおもしろかった。
 赤川次郎、石田衣良の次くらいに楽に読める。人物描写や設定、ストーリーに違和感や疑問を残さず、すっきりと読み終えることができるのでお勧めです。

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ユグドラジルの覇者


2009年05月01日 読了
 第26回横溝正史ミステリ大賞、大賞受賞作。
 部屋の中でビール片手に胡坐を組んだ一人の男。それがネットを通して世界中を相手にする。世界樹という名にふさわしい広がりをもった作品。北欧神話のユグドラシルやラタトスクという言葉に惹かれて手に取っただけの作品だったけれど、これほど後を引いたものは少ない。
 説明のくどさや結末についてはいろいろといわれているが、デビュー作であることを鑑みれば充分な出来だと思う。

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火星ダーク・バラード


2009年04月30日 読了
 第4回小松左京賞受賞作品。
私の地元、姫路在住の作家らしい。
火星を舞台にしたSFもので、これほどの量があるにもかかわらず、1日で読めてしまった。最初はこまごまと場面が移り変わり、わかりにくい面もあったが、しだいに取り込まれるような吸いつかれるような感覚に陥りながら時間を忘れていった。主人公は1匹狼的な、主人公にしやすいキャラクターだけど、個性がちょっと薄いかな。でも、この人の本をもう少し読んでみたいと思わせてくれた。

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しゃばけ


2009年04月29日 読了
テレビドラマにもなった、妖怪と大店の若旦那の周りで起こる日常の物語。
 この人の文章はさらっとしてて読みやすい。しかし、脇役や単発登場の人物の書き分けに少し難ありで混乱する場面もあった。
 楽に読めて、軽快に進み、一見情けない主人公がなぜだかカッコイイ。その場の様子が自然と頭に浮かんでくるため不思議な世界も違和感なく受け入れられる。ちょっと読書したいなと思った時に最適なシリーズ。

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ぼくが愛したゴウスト


2009年04月28日 読了
パラレルワールドへ迷い込んだ少年の物語。
かすかな違和感からわきあがるあらゆるものへの不信感。それが募り、空気にすら違和感を覚え始めるような不思議な文脈の中で語られる「心」や「愛」や「自分という存在」。ややありふれた感はあるものの、作者はこれをどう解決させていくのかという好奇心が先を急がせた作品。しかし、物語という点でいえば、解決はしない分私にとっては消化不良。その余韻を楽しめるか否かで評価は分かれるだろうけど、現実ではこうゆう「しょうがない」事態のほうが多いんだろうなぁと思う。理由も根拠も解決法もわからないけど、受け入れるしかないという、現実。

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南河国物語 暴走少女、国をすくう?の巻


2019年11月15日 読了
はるか昔のとある国、天下に名を轟かせる名将軍に似ていたことから起こった出来事で囚われの身となった飾り職人の賢良と、その娘・紅玉。
父は小心者なのに娘はたいそう肝が据わっており、その度胸と知恵で国を振り回す。

 読み聞かせか紙芝居かというようなお話。
何とも都合が良く、15の小娘に皆振り回される様が滑稽。
きちんと辻褄があっているため稚拙に見えないが、幼い子向け。

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南河国物語 暴走少女、国をすくう?の巻 [ 濱野 京子 ]
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氷獄


2019年11月03日 読了
10年務めた会社を辞め、弁護士になった日高正義が初めて担当する事件は、2年前に手術室での連続殺人として世を震撼させた「バチスタ・スキャンダル」だった。弁護を拒否され、控訴もせず、減刑も求めずにいる氷室と、日高は取引をする。

 田口も白鳥も登場するが、今回は彼らは脇役。
自らの信念に基づいて行動しているはずの日高だったが、一枚も二枚も上手の面々に振り回されていく。
事の起こりからずいぶん長い時間がたっていたため、記憶がおぼろげ。
さらに外から見た世界だったためか、現実味が薄く感じてしまった。

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氷獄 [ 海堂 尊 ]
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隠居すごろく


2019年11月01日 読了
巣鴨で六代続く糸問屋の嶋屋。店主の徳兵衛は、三十三年間待ちに待った隠居の日を迎える。
嬉々として皆に通達し、隠居宿を探し、やっと静かな生活ができると思っていたのもつかの間、あっという間に飽きてしまう。
そんな時、孫の千代太が隠居屋に訪れた時から生活は一変する。

 徳兵衛のうんざりした顔が、思案顔に代わり、良い思い付きをした時の顔、思い通りになった時のしたり顔、そして心がほこほこした時の嬉しい顔。
色んな表情が飛び出してきて次は何だとわくわくする。
子供の、思いもかけない行動が、思いがけず充実した隠居生活に結び付き、大きな問題にも次々と光が見えてくる様子が楽しかった。

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隠居すごろく [ 西條 奈加 ]
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ガラスの城壁


2019年10月24日 読了
中学生の悠馬は、父がネット犯罪の冤罪を着せられ、心労の末死を選んだことがきっかけで、苛められるようになった。
そんな時、転校生の暁斗だけが味方になってくれ、父を陥れた真犯人を探すことを悠馬に進めた。

 いつになったら本題に入るのかと思うような薄くて意味のわかない話のまま、終わりになる。
唯一クラスメイトの涼音だけが生きているような感じで、どれもが夢の中のようにあやふやに進む。
そんなオチってあるのかと、結論となる頃にはガッカリするだけだった。

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ガラスの城壁 [ 神永 学 ]
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高校事変 II


2019年10月18日 読了
「武蔵小杉高校事変」から2か月、テロリストの次女・優莉結衣は新しい場所で高校へ通っていた。
そこで、結衣と同じ養護施設に暮らす奈々未が行方不明になったことで、同じように女子高生が32人も行方不明になっていることがわかった。

JKビジネスが抱える闇は、おそらく誰もが知ってはいても、まさか自分がまきこまれるとは思っていない。そんな彼女らを、関わってしまったために見過ごせなくなった結衣が、日本とは思えないやり方で一掃していく。
今回は、仕方なく殺戮にかかわるというより、進んで起こしている風に感じられる。人を殺すことを大事と思わない世界で生きてきた結衣に仕込まれた技が、一人の少女を守る。
 

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