進々堂世界一周追憶のカシュガル


2017年03月14日 読了
 京都を愛する浪人生・サトルは、『進々堂』という喫茶店で出会った御手洗という人物と仲良くなった。
御手洗は、世界中を旅してきて戻ってきたばかりだという。
彼を尊敬しているサトルは、彼から世界の話を聞く。

 サトルの存在意義がわからない。
御手洗が語る話も、知り合いから聞くなら興味もわくが、ただ面白くもないいくつかの出来事を語るだけ。
少しも引き込まれず、興味もわかず、飽き、やめておけばよかったと思っただけ。

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死神の浮力


2017年03月08日 読了
 小説家の山野辺は、娘を殺されたうえに、犯人から決定的な証拠を送られたのにそれを使えず、さらには犯人の無罪まで確定してしまって絶望していた。
その山野辺のところにやってきた死神の千葉は、1週間の調査の間、山野辺について様々な行動をする。

 長い。
小説家の山野辺が誰かとの会話のなかで、「普通に幸せをつかんで終わるような結末では、小説ではとてもつまらないものとなるが、現実では最大の幸福な結末である」といったような内容があったが、まさにその『普通のつまらない小説』であった。
 前作のように短編だったほうが良い後味を残せそうな内容を、わざわざあの長さまでしたのは最大につまらないやり方だったと思う。

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ストレンジャー・イン・パラダイス


2017年01月27日 読了
 限界集落となりつつある阿形県賀条郡晴太多(はれただ)。
観光名所も温泉もない、ただの田舎を再生するために若者たちが立ち上がる。
 かつてここで育った幼馴染たちが、故郷のために様々な知恵を出しながら住民を増やそうとする物語。

 2時間足らずで読めてしまう。
色んな問題を抱えた人たちが集まるわりに、軽めで薄い内容。
身内にばかりひたすら善人の、うすら寒い話が増えた作者。

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スローバラード Slow ballad


2017年01月21日 読了
 北千住で喫茶店〈弓島珈琲〉を営むダイは現在53歳。
仲間と共に静かな日々を送っていたが、ある日、友人の息子・智一が家出したと連絡が入る。
仲間たちと探し始めるが、智一と同じ学校で不登校がちの村藤瑠璃が、家族に怪我をさせて行方不明になっているという情報が入る。

 仲間に対してはどこまでも信頼し、何をおいても助け、集まればいつでも昔の様な関係に戻れるダイたち。
それはとても仲間思いで強い絆を表しているけど、どうしても嫌悪感が湧いてきた。
仲間以外はどうでもいいというような、仲間を傷つけた者には障害が残る傷をおわせても良いという考え。
穏やかに語られるため凄惨な雰囲気はないが、よく考えたら犯罪であるようなひどいこともしている。
 とても狭い世界でのみ心地よい仲間意識。

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神仙の告白 僕僕先生: 旅路の果てに


2016年12月15日 読了
 旅の仲間もそれぞれに自分の道を見つけ、また二人となった僕僕と王弁。
長安で静かに暮らしていた二人だが、突然王弁が眠りについてしまう。
集めた仙骨に、体が耐え切れなくなったのだ。
僕僕は王弁を助けるため、神馬の吉良と薬丹の材を探しに行くが、その頃、神仙たちも事を始めようとしていた。

 旅の終わりが近いと思わせるタイトルで、中身もそうだったが、今回は雰囲気が一変して剣呑。
唐突に話が大きくなり、これでは「千里伝」と同じ。
どうしても天地の創造やら西王母を絡ませたいのかとがっかりした。

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検察側の罪人


2016年11月23日 読了
 有能な東京地検のベテラン検事・最上のところに、教官時代の教え子である沖野が配属されてきた。ある日、大田区で老夫婦刺殺事件が起き、その関係者の中に知った名を見つけてしまう。

 すでに時効となった事件の犯人らしき人物が、また殺人犯として現れた。
法では裁けない口惜しさが、最上を追い詰める。

 法の専門家でありながら、今までの正義をあっさりなげうつ上、素人のような隠ぺい工作をする。
ばれても構わないと思っていたのならもっと雑だったろうし、見つからければラッキーというならもう少し考えて行動するはずで。
最初からどうも入り込めないところがあった。
動機となった、時効を迎えた事件への思い入れもいまいち薄い印象で、全体的に上滑りしていた感じ。

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桜風堂ものがたり


2016年10月27日 読了
 百貨店に入っている書店で働いている主人公の月原一整。
万引きをした中学生を追いかけたことで、その中学生が車とぶつかり、怪我をした。
世間から攻められた一整は、書店を辞め、心の傷を抱えながら旅をする決意をする。

 うんざりするほど無駄に長い。
半分まで読んでやっと、タイトルの桜風堂にたどり着く。
意味がある長話なら伏線として楽しめるかもしれないが、くだらなくて疲れ、投げ出したくなるほどつまらない無駄話が多すぎて少しも楽しくなかった。
さらに、本屋の内情も、もうみんな知ってる事ばかりで新鮮でもない。
書いている本人だけが楽しい物語。

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空き家課まぼろし譚


2016年09月16日 読了
 古い空き家を保存・管理し、新しい住人を見つける課「空き家課」の職員・間宮明。
ひょんなことから上司の娘の三上汀に不思議な力があることを知る。
そして二人は、空き家を巡って出会う人々の、懐かしい思い出に触れる。

 ファンタジーの要素はあるけど薄っぺらい。
童話と言っていい感じの、とても都合のいい話。

 写真やまぼろしは絵本にすればきれいなものができそうな気がしたが、小説としては納得できる構成になっていない。

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ようこそ授賞式の夕べに (成風堂書店事件メモ(邂逅編))


2016年08月04日 読了
 年に一度の大イベント、書店大賞授賞式。
成風堂に勤める杏子と多絵は朝から落ち着かなかった。しかしそこへ、書店員・花乃が訪れる。
「書店大賞事務局に届いた不審なFAXの謎を解いてほしい」

 すっかり有名になった例の大賞を舞台にした謎解き。
登場人物があちこちに別れて走り回る話なのでせわしなく、本屋の実情などはもう前にも書かれたものばかり。
興味を引くものはなく、ばたばして終わり。
探偵役の多絵も印象が薄い。
注目するべきところがしっかり出てないので全体的にうっすらした印象。
残るところがない。

ソロモンの偽証 第I部 事件


2016年07月29日 読了
 クリスマスイブに、一人の少年が死んだ。
自殺と結論づけられたけど、どこからか殺人だという噂が持ち上がる。
さらに、追い打ちをかけるように学校や先生、親が警察官のクラスメイトのところへ告発文が届けられる。
 真実を知る前に次々と起こる事件に、疑惑、不審、裏切りといったあらゆる負の感情がおしよせる。

 「模倣犯」と同じ、ただ長いだけで何もない。

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ソロモンの偽証(第1部) 事件 [ 宮部みゆき ]
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