ずんずん!


2017年09月25日 読了
 牛乳を配達すえるだけじゃない。
地域に溶け込み、異変を察知したり、毎日変わらず街を見廻る。

 牛乳配達の店がメインだと思っていたが、そこからいろいろ広がってなにが軸なのかが曖昧になっている。
細かいエピソードは微笑ましいものもあるが、多すぎて飽きる。
心身共に満ち足りて心に余裕のある人が持てる優しさだけを掬い取って作った、すべてがものすごく都合のいい話でうんざりする。
もっと読みたいものがあったのにと後悔するほどがっかりした。

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増山超能力師大戦争


2017年07月20日 読了
 超能力が国により認められ、資格もある世界で、超能力を研究する者たちが狙われた。
ところがその技術者たちは、ひどい拷問を受けることになっても、ある部分の記憶が抜け落ちていた。消された記憶は何なのか、それを狙うのは何物か。

 キャラの個性は強いけど、軽い。
おかげで深刻さもなくコメディとしてサクサク読める。
大きな事件のはずがさらりとあっという間に終わるために、”大戦争”というには物足りなさすぎて肩透かしを食う。
シリーズらしいがこの調子では興味はわかない。

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横道世之介


2017年07月13日 読了
 第7回本屋大賞第3位に選ばれた、柴田錬三郎賞受賞作。
押しに弱く、つい自分の意見が言えずに言われるがままされるがままの世之介が、大学進学のために東京に出てきてからの成り行き人生を描く。

 どこかのんびり抜けている世之介の、流されっぱなしの毎日が行きつく先。
驚くような出来事もたまにあるのに、世之介はそれすら成り行きまかせ。
それならそれでいいのだが、所々入ってくる時代を超えた登場人物たちの回想や、主語がないからどんなふうにでも想像できる横やりが、もうどうでもいいやという感じの意味のなさ。
さして顔も覚えてないようなご近所さんの話を延々聞かされているようで、
面白くもなんともない、人の話。

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幸福のパズル


2017年06月12日 読了
 海の見える町で生まれ育った主人公のみちるは、高校3年の夏、中学のクラスメイトだった優斗と淡い恋をするが、行き違いの末別れてしまう。
その後、小説家として高校生でデビューしたみちるは優斗と再会し、再び付き合うことになるが。

 10代の頃読んでいた少女マンガ作家。
小説はもう少ししっかりしたものかと思っていたらそのまんま少女マンガのノベライズといった感じ。
設定も展開もすべてが浅く軽い。

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幸福のパズル (講談社文庫) [ 折原 みと ]
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over the edge


2017年03月17日 読了
 ニューヨーク市警のブラウンが日本にきたのは、視察のほかにもう一つ目的があった。
古い友人が日本で行方不明になったと聞き、探すためだ。
 ところが勝手のわからない日本で、黒人は目立ちすぎる。ひょんなことから知り合った元刑事の濱崎と手を組み、友人の足跡をたどり始めるが。

 ブラウンのキャラクターが薄く、ぶれていて一貫しないためにあちこちで違和感が起こる。やっていることもちぐはぐ。濱崎とバディとなるとも書かれているが、二人のやり取りも、とりあえず凸凹コンビとしてやりたいことを突っ込んでみたという感じで脈絡がない。
ハードボイルドのようなものを書いてみたかっただけ?

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進々堂世界一周追憶のカシュガル


2017年03月14日 読了
 京都を愛する浪人生・サトルは、『進々堂』という喫茶店で出会った御手洗という人物と仲良くなった。
御手洗は、世界中を旅してきて戻ってきたばかりだという。
彼を尊敬しているサトルは、彼から世界の話を聞く。

 サトルの存在意義がわからない。
御手洗が語る話も、知り合いから聞くなら興味もわくが、ただ面白くもないいくつかの出来事を語るだけ。
少しも引き込まれず、興味もわかず、飽き、やめておけばよかったと思っただけ。

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追憶のカシュガル 進々堂世界一周 [ 島田荘司 ]
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死神の浮力


2017年03月08日 読了
 小説家の山野辺は、娘を殺されたうえに、犯人から決定的な証拠を送られたのにそれを使えず、さらには犯人の無罪まで確定してしまって絶望していた。
その山野辺のところにやってきた死神の千葉は、1週間の調査の間、山野辺について様々な行動をする。

 長い。
小説家の山野辺が誰かとの会話のなかで、「普通に幸せをつかんで終わるような結末では、小説ではとてもつまらないものとなるが、現実では最大の幸福な結末である」といったような内容があったが、まさにその『普通のつまらない小説』であった。
 前作のように短編だったほうが良い後味を残せそうな内容を、わざわざあの長さまでしたのは最大につまらないやり方だったと思う。

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ストレンジャー・イン・パラダイス


2017年01月27日 読了
 限界集落となりつつある阿形県賀条郡晴太多(はれただ)。
観光名所も温泉もない、ただの田舎を再生するために若者たちが立ち上がる。
 かつてここで育った幼馴染たちが、故郷のために様々な知恵を出しながら住民を増やそうとする物語。

 2時間足らずで読めてしまう。
色んな問題を抱えた人たちが集まるわりに、軽めで薄い内容。
身内にばかりひたすら善人の、うすら寒い話が増えた作者。

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スローバラード Slow ballad


2017年01月21日 読了
 北千住で喫茶店〈弓島珈琲〉を営むダイは現在53歳。
仲間と共に静かな日々を送っていたが、ある日、友人の息子・智一が家出したと連絡が入る。
仲間たちと探し始めるが、智一と同じ学校で不登校がちの村藤瑠璃が、家族に怪我をさせて行方不明になっているという情報が入る。

 仲間に対してはどこまでも信頼し、何をおいても助け、集まればいつでも昔の様な関係に戻れるダイたち。
それはとても仲間思いで強い絆を表しているけど、どうしても嫌悪感が湧いてきた。
仲間以外はどうでもいいというような、仲間を傷つけた者には障害が残る傷をおわせても良いという考え。
穏やかに語られるため凄惨な雰囲気はないが、よく考えたら犯罪であるようなひどいこともしている。
 とても狭い世界でのみ心地よい仲間意識。

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スローバラード [ 小路幸也 ]
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神仙の告白 僕僕先生: 旅路の果てに


2016年12月15日 読了
 旅の仲間もそれぞれに自分の道を見つけ、また二人となった僕僕と王弁。
長安で静かに暮らしていた二人だが、突然王弁が眠りについてしまう。
集めた仙骨に、体が耐え切れなくなったのだ。
僕僕は王弁を助けるため、神馬の吉良と薬丹の材を探しに行くが、その頃、神仙たちも事を始めようとしていた。

 旅の終わりが近いと思わせるタイトルで、中身もそうだったが、今回は雰囲気が一変して剣呑。
唐突に話が大きくなり、これでは「千里伝」と同じ。
どうしても天地の創造やら西王母を絡ませたいのかとがっかりした。

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神仙の告白 僕僕先生 旅路の果てに [ 仁木 英之 ]
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