先生と僕


2010年01月11日 読了
 田舎から出てきた超怖がりで心配性の主人公と、大人びた中学生。どちらが先生でもあり、僕でもある。

 ミステリ。だけど大きな出来事じゃない。身近に、いくつもあるかもしれない罠を、軽やかなひらめきで解いていくのが気持ちいい。

 文中で紹介されているミステリ作品にも興味がわく。

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アンジェリク 緋色の旗


2010年01月04日 読了
 国境近くに住む貴族の娘アンジェリクが革命の中で生きる。

 他の作品で主人公だった人が今度は脇役となり、違った目線と時間で革命を見ている。
 心の底に疼く傷を誰もが持っている時代だから、いくらでも話が膨らむ。

 歴史と政治の話は何度聞いても整理できないけれど、その時代をこれだけ多様に描けることはすごいと思う。
 ただ、少し飽きてきたかも。。。

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パズル・パレス (上)


2009年12月29日 読了
 暗号解読課(クリプト)は世界中の通信を傍受し、対テロ対策として大きな成果を上げていた。
 そのスーパーコンピュータ「トランスレータ」が狙われる。

 絶対に解読不能な暗号ソフトによって。。。

 アメリカの映画設定にありがちなパニック性、相変わらず不可解な日本描写。

 言わずと知れた「ダ・ヴィンチ・コード」の作者。
これがデビュー作らしい。
 厄介な問題が次々と広がり、駆けずりまわされ、疲れ果てる。

 上巻は、問題をやみくもに広げた感がある。ここからどうやって終息していくのかが楽しみ。

COW HOUSE


2009年12月25日 読了
 なぜ「牛の家」?

 訳あって窓際族だった僕が、ある日豪邸の管理人に任命された。
訳あって拾った女の子とそのまま付き合い、訳のある人たちと一緒に過ごしている。

 ほのぼのゆっくりとした時間が流れる。やわらかい気持ちでずっと読み続けることができる。

 ただ、前作があるのではと思わせるくらい、所々でさらっと流される背景。
 それが納得できなくてちょっと物足りないと思う時もあるし、出会う前のことは少しづつ知るしかないのが当たり前だから何もかも説明するのは逆に不自然なのでこれでいいのかもと思ったり、いろんな考えが浮かびながら読み進めた。
 そのため、登場人物への興味は確かにそそられた。

鴨川ホルモー


2009年12月23日 読了
 大学1回生の春、金がないためにあらゆるサークルの新歓に出てはタダ飯を食う日々。そのなかでひと際妖しいサークルの新歓で、主人公は一目惚れをする。彼女に会いたいがために抜けられなくなったサークルは、それはそれは怪しい集まりだった。。。

 大学生ならではのアホ騒ぎ。くだらないけど必死で、苦笑いが止まらない。

 設定がおもしろい。

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バッド・トラップ


2009年12月19日 読了
 詐欺師のリュウは、1千万ドルを超える値で引き取ってくれるという依頼のため、行方不明の秘宝・ケツァルコアトル像を探す。

 様々な手を打ち、じわじわと標的を追い詰めているはずが、「不確定要素」がそれを阻む。

 鮮やかに騙し、それに気づかないほどのタイミングで奪う。キャラクターの個性は象徴的でわかりやすいが、話はとても普通。特に目新しいこともなく、想像を超える所もない。

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空っ風


2009年11月29日 読了
 清水次郎長一家の小政を主人公に、親にうとまれ博徒一家に入り、喧嘩で身を立てつつ幼馴染の娘を生涯求めた男の生きざまを描く。

 幕末の情勢が激変する時代、淡々と語られる小政の心の内は迷いを含むものながら堅く、常に愛か憎かを尋ねる。

 「枯し紋次郎以降に初めて現われた次世代股旅物の傑作」と評されるものゆえに、時代小説としては「まっとうな」ものなのだろう。

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ゴルディオンの結び目


2009年11月17日 読了
 大学教授で推理作家の主人公が、最近娶った妻とともに名探偵と化す。

 絵画と歴史にまつわるミステリー。
実に細かい下調べと膨らむ一方の想像。テーマやツールはとても面白いけれど、ウンチクがやたら細かすぎて疲れてくる。
 そこまでの描写は必要ないのではと思うほど。

 名探偵のはずの主人公が実はワトソン役にぴったりだったりと、コミカルな面もあった。

 でも疲れた。

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出口のない部屋


2009年11月07日 読了
 差し出された小説の原稿に描かれたミステリ。
 眠くならず、喉も乾かず、尿意さえもよおさない。出口のない部屋。

 いくつかの複線が少しずつ語られ、次第に繋がっていく。

 後味は、なんとも気持ちの悪いものだった。 

晩夏に捧ぐ<成風堂書店事件メモ・出張編>


2009年09月30日 読了
 前作「配達あかずきん」は短編だったけれど、今回は信州に出張し、しかも長編。

 前作から何となく気になってはいたのだけど、ちょっとした謎を気にかけ、謎解きを始めようと思うきっかけが薄い。なぜそこで気持ちがそう動くのかという動機がいまいち。そこがなければ探偵も始まらないのだから。
 それでも本屋の魅力は充分にあり、長編の意味もあった。

 中だるみな点もあったし、後半の思わせぶりは不愉快ではあったが、登場人物が魅力的。