2017年05月12日 読了
とある商店街にひっそり営業しているあずかりやさん「さとう」。
1日100円でなんでも預かってくれる。
今回は店主の桐島のこれまでの話がメイン。
メインといいながら、桐島の話より店にある物たちの話がメインのよう。
オルゴールの話はただ一つ心に残るが、他はいまいちで、読み終えてもすっきりせず、後味もなく、すぐに忘れてしまう。
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読書と編み物の記録
2017年05月12日 読了
とある商店街にひっそり営業しているあずかりやさん「さとう」。
1日100円でなんでも預かってくれる。
今回は店主の桐島のこれまでの話がメイン。
メインといいながら、桐島の話より店にある物たちの話がメインのよう。
オルゴールの話はただ一つ心に残るが、他はいまいちで、読み終えてもすっきりせず、後味もなく、すぐに忘れてしまう。
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2017年04月11日 読了
本業は小説家だけど、担当編集者だった高橋が突然立ち上げた探偵事務所の所長を兼業することになったユナ。
旧友の秋子から、『ユナ、助けて』とメールが届いて驚くユナは、プロの探偵たちに助けられながら秋子を探すことにした。
そして巷では、クリスマス用の電飾が置かれた、一見何の接点もない殺人が、連続して起きていた。
接点がないように見えていた殺人の、つながりを探していくのは楽しかったが、登場人物が多く、重要なのに個性があまり出てこない人物もいて最後までつかめずにいた。結局どんな関係があったのか、所々見直してもわからない。
そして真犯人の計画した交換殺人も、なんだか犯人の人格と疾病に隠れていまいち解決されていないままなのですっきりしない。
小説家で探偵事務所の所長という立場が、とても興味深いのに印象が薄いので残念。
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2017年03月28日 読了
江戸時代、あちこちに作られた御薬園の一つ、京都の鷹ヶ峰御薬園。
幼い頃そこへ預けられ、育った女薬師・元岡真葛は、薬草を通じて身体だけでなく心をも病む人々を解きほぐしていく。
薬問屋の主が買い付けから戻ってからの様子がおかしい、まだ少女のような子が懐妊したと言ってやってきたり、自分を認めなかった実家への思いなど、ただ病を治すだけではなく、患者の心に寄り添うことで気持ちも治そうとする主人公。
こちらは京都の御薬園だが、梶よう子の『柿のへた』は江戸の御薬園が舞台で、こちらにも小石川薬園の名前も出てきてどちらの話か混乱するが、ますます薬園に興味が出てきた。
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2017年03月20日 読了
明治座に幼馴染みの演出家を訪ねた女性が遺体で発見された。さらに数日後、ホームレスが殺され小屋ごと焼かれた事件があった。
一見、二つの事件に関連はないと思われたが、、。
このシリーズは呼んだことがないけどドラマで少し見ていたから、どうしても加賀が阿部寛で浮かんでしまう。
生きるために苦渋の選択をした親子が、苦しみながらも静かに精一杯生きてきたという話で、真実が見えてくると同時に苦しくなる。
その道を選ばざるを得なくなり、後に軌道修正しようとしても道がわからず苦しむ昭和初期が舞台の話は多いが、これもその一つか。
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2017年03月01日 読了
同じ大学の研究室の3人が誘拐され、翌日には解放されるという奇妙な事件が起こる。しかも3人とも、「呪い」をかけられたと話し、数日後にはひどい頭痛を訴えて救急搬送されていた。
久しぶりのSTシリーズ。
呪いの効果、そして寄生虫の話自体は新しくないしすでに知っている事項。
でもそれをつなぎ合わせて事件にし、科学的に解明しようとするSTチームのキャラクターが楽しい。
2時間あれば読める本で、ちょっと物知りになった気分になる。
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2017年02月10日 読了
江戸で人気の上菓子屋。
晴太郎と幸次郎の兄弟、それに笑い上戸の職人茂市の3人で営む小さな菓子屋だが、菓子作りにしか興味がなかった兄の晴太郎が恋をする。
人に恵まれ、苦労もしながらやっと人気が出てきた二人の店。
見た目もきれいでもちろん美味しい菓子の描写や、それを食べて顔をほころばし、頬を緩める人々の顔がとても優しく微笑ましいため心が和む。
前作を読んだのはずいぶん前だけど、読み始めてすぐ記憶が戻った。
読み終えると晴れやかな気持ちになる。
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2017年02月08日 読了
海沿いの街に暮らす主人公の杏は、夢見がちで物語を書くのが好き。
いつも海辺でノートを開く。
ある日、椅子職人を目指すクラスメイトの彗斗が「高校を辞める」と言い出した。
そんな時、杏の親友である翠が行方不明になる。
黒猫シリーズより数段読みやすい。
そして嫌味じゃない気障加減の彗斗が、甘さを醸し出していた。
ただ、翠の位置がなんだかしっくりこない。
人の死が異常に軽い。
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2017年02月08日 読了
新大陸で澄香を決めたヴィクトリカと一弥。
家具をくれるというご近所さんのところを尋ねると、玄関には謎かけのチェス盤があった。
謎を解き、家人のおばあさんに招かれると、悪戯好きな建築家だったという夫の話をしてくれた。
その悪戯好きな建築家が残した、セントラルパークの謎を、ヴィクトリカたちは追う。
パズル的な要素が多かった今回は、いつもよりも軽かった。
ヴィクトリカと一弥のくだらない掛け合いも、微笑ましいというより引く。
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2017年02月05日 読了
第10回『幽』文学賞短篇部門大賞受賞。
夫を事故で無くし、義母から「人殺し」と罵られることから逃げ続けている柚子は、夜な夜な不定期に訪れる異世界の人々と闇の取引をしていた。
暗く静かな語り口で、大きな恐怖はないけどうすら寒い夜の出来事を描いている。
薄汚れた着物を着、判別しにくい言葉を話す闇の者たちが欲しがるのは、こちらの世界ではありふれていて、ゴミとして捨てられるもの。
価値観の違いから成立し、時に恐怖を感じることもあるのにやめられない取引。
現実から離れた世界へ引きずられる感じがリアルで恐ろしい。
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2017年02月03日 読了
父とふたり暮らしのおみつは、最近父の様子がおかしいと思っていた。
おとなしくて真面目で、口数も少ないいつもの父が、ある時ふと違う顔をするのだ。
瓦版のよみ売りをしている才助は、このところ瓦版に書かれたことと似た事が起こっていることに奇妙なものを感じていた。
その瓦版を描いている元武士の青山に相談し、探りはじめたところ、おみつの父の甚助が捕らえられる。
幼いおみつの心を細かく描写してあり、心が痛む。
いたたまれない結末だが、決して暗くはないため、希望も見えた。
所々で端折ってある設定は、前作があったためだろうか。
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