2012年11月23日 読了
北海道の田舎町に、一両編成の列車がゆっくり走る。
高校2年の仲良し3人組は、そんな海っぱたの砂浜に、ある日赤いテントが建っているのに気づいた。
そのテントの主は光太郎といい、人を探してやってきたと言う。
3人は、同じ学校の仲良しとともに、そのテントの主である光太郎の旅の目的を果たそうとする。
悲しい過去も今ある辛さや苦労も、優しく語れば少しだけ軽くなるような気がする。
そんな作者の思いが書かれているような物語。
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読書と編み物の記録
2012年11月23日 読了
北海道の田舎町に、一両編成の列車がゆっくり走る。
高校2年の仲良し3人組は、そんな海っぱたの砂浜に、ある日赤いテントが建っているのに気づいた。
そのテントの主は光太郎といい、人を探してやってきたと言う。
3人は、同じ学校の仲良しとともに、そのテントの主である光太郎の旅の目的を果たそうとする。
悲しい過去も今ある辛さや苦労も、優しく語れば少しだけ軽くなるような気がする。
そんな作者の思いが書かれているような物語。
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2012年11月22日 読了
里見八犬伝・・・・の贋作である。
猟師の娘が兄を頼って江戸にでてきたら、犬人間がさらし首になっているところに出くわす。
娘は兄とともに、犬と人との交わりモノである「伏」を狩る。なぜなら猟師だから。
元の物語を良く知らないためか、これはこれでおもしろかった。
この人の本では、初めて面白いと思えたものである。他は全く趣味に合わないけれど。
江戸のお話なのに、現代ふうな言葉をつなぎ、分かりやすい。
原作好きには許せないところもあるかもしれないけど、全く別の話として楽しめる。
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2012年11月19日 読了
大森署署長・竜崎伸也の眠れない日々。
変死した外務官僚、ひき逃げ、放火。同時期に起こった事件の様子をうかがううちに、不思議な共通点に気付く竜崎。
作者は警察小説をたくさん出しているため、区別がつかなくなってきた。
頭が固くて関わりにくい人物かと思っていた竜崎が、その体裁やメンツを気にしないところが逆に功を奏す。
とてもおもしろくて頼もしい人物。
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2012年11月10日 読了
七番勝負に負けたら嫁に来てもらう。
そんな無茶な申し出をよく知らずに承諾してしまったおりつが、いろんな出会いと共に石をうつ。
町娘が囲碁を始め、町の腕自慢を打ち負かしてきたためについたあだ名が「囲碁小町」。
そのおりつの勝負は、囲碁を知らなくてもついていけるように書かれている。勝負ごとに出会う自分より強い者たちがとても魅力的で、最後の、哀しみのなかでの囲碁は印象的。
婿になるかもしれなかった人との今後の関係も気になるところ。
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2012年11月04日 読了
二人の作家が兄妹それぞれの視点で描く、一つの家族。
仲が良くて、大好きな家族に、ある日1本の電話が入る。
お母さんは絶対知ってる人のはずなのに、「知らない人」だと言う。
妹のまどかがチクリと胸に感じた違和感が、自分の知らないお母さんの過去と繋がる。
二人の作家の合作。
どちらも優しく優しく話を紡ぐ作家さんで、交互に書かれているはずなのに少しも違和感なく読み進められる。
最後に兄のユイチが語る推理は安易で、ちょっと違うかなぁと思ったりもしたけど、高校生の男の子の考えとしては正解なのかもしれない。
本当はもうちょっと隠れていそう。
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2012年10月23日 読了
第6回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。
夢だった店を持ち、結婚もして、もうすぐ子供も生まれるという柴山幸太。料理目当てで妻の友人の結婚式に出席したのだが。
料理に関しての描写が面白く、すぐにでもフレンチが食べたくなる。でもミステリーとしてはいまいち味がない。
いくつかの視点で描かれ、やがてそれらがどう繋がるのかと推理させるのはいいのだけど、それぞれが散らかりすぎて気が散る。
最後はいかにもミステリー。
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2012年10月12日 読了
桜宮市警察署の玉村警部補と加納警視正のお話。
彼らが関わったいくつかの事件の調査ファイルを、おなじみ田口先生と共に時にため息をつきながら見返していく。
加納警視正の豪快さが頼もしい。
終盤に田口先生がひそかに思う。
『加納警視正の行くところ、荒野でも瓦礫の山でも、そこに道ができてしまうのではないか』
運に擦り寄られていると言っていい加納警視正の勘は、まだまだ冴えていそう。
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2012年09月26日 読了
友人の結婚式で隣に座っていた男・栗本健太。市役所に勤めるOLの藤井五月は、スピーチで思わず彼と言い合ってしまう。
古風な考えの栗本に反発し、何かにつけケンカをする五月だが、なぜか付き合いが続いていく。
関西を舞台にしているため、知っている地名やふとした方言がとても懐かしい。
相手の考えがどうしても納得できずケンカばかりなのに、人となりには惹かれてしまう不思議な関係がおもしろかった。
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2012年09月21日 読了
主人公の克則は、懲役刑を受けた。
そこで不思議な提案をされる。
「懲役刑」と「消失刑」、どちらを選びますか?
消失刑とは、周りから認知されず、話すことも書くことも触れることもできない。まさに周りから存在が消される刑である。
試験的な刑であるため、こちらを選ぶと刑期が短縮もされるとあって、克則は消失刑を選ぶ。
そしてもうすぐ刑が満期になるという頃、とあるきっかけで刑を執行・監視している首のリングが壊れた!
そこから始まる孤独な生活。
面白い刑である。
いずれ実際にこれに近いシステムができるかもしれない。
最後は全てを明らかにせず終わっているため、ますます想像が膨らむ。
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2012年08月31日 読了
人生に迷い、躓き、諦めた人たちが、ある日新聞に載った「人間再生セミナー」の広告に目を止める。
いろんな理由で人生をあきらめかけた人たちが受ける、2週間のセミナー。自分や社会の事への考え方の違いや、それをどんな立場で感じているのか、などといった「気づき」や「認識」についてを考えるのが課題。
淡々と語られていく。
読者はセミナー参加者と同じ。何かに気づかないときっと面白くない。
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