寄居虫女


2016年04月15日 読了
 その女を入れてはいけない。
食いつき、吸い尽くされ、狂わせ、時には死に向かわせる。
その女の被害にあった者は数知れず。
いつの間にか家に住み着いている。

 ヤドカリというより寄生虫。
怖い怖いと思いながら読む。

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炎のタペストリー


2016年04月13日 読了
 隣国と長い戦争を続けるハルラント聖王国の西の端に住むエヤアルは、幼い頃に魔法を暴走させて炎の鳥に魔法を奪われていた。
そして<空っぽの者>となったエヤアルは徴兵吏によって砦に連れてこられ、洗濯女や食糧庫の管理、照明係などをして働きながら新しい力を目覚めさせていく。

 類まれなる記憶力のために、「話す祐筆」として戦に連れて行かされたエヤアル。
そこで見聞きしたことがエヤアルの考えを大きく変え、一つの決断をする。

 ファンタジー小説というより、童話。
自分の思いとは違う生き方を強いられて抵抗し続けるエヤアルが生き生きいていて、ただ前向きな明るい主人公ではないところに好感が持てる。
でも最後の決断は指示書めいた道徳観いっぱいの童話なところが残念。

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インフェルノ(上)


2016年03月27日 読了
 目覚めると、知らない病院で頭を怪我して横たわっていたラングドン。
そんなことになった記憶がないまま何者かに襲われ、逃げ出した彼には、身に覚えのない持ち物と複数の敵が待ち構えていた。

 今までよりキリスト教や建築物、美術品の考察(蘊蓄)が多くて読みにくい。
また、ラングドンの記憶がないために何が起こっているのかさっぱりわからないままひたすら逃げるだけの上巻。

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GEEKSTER 秋葉原署捜査一係 九重祐子


2016年03月16日 読了
 秋葉原署捜査一係の九重祐子は、毎日オタクたちの愚痴を聞くだけの仕事に飽いていた。しかしその中で、いつしか噂になる名前が「ギークスター」。
秋葉原の街で、悪事を働いても警察の手が回らない奴らを私刑にするヒーロー。

 作者は方向転換したのか。
深みがないし斬新でもない。主人公の心情を表現することは巧みなのに、ストーリーに個性がなくなってきた。

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兄と弟、あるいは書物と燃える石


2016年03月02日 読了
 ある種の人にとっては崇拝と言っていいほどの熱狂的なファンを持つ作家。
その分批判も多いその作家が書くものは、現実で身近にいる人の名前をそっくり使い、現実と虚像をがするりと入れ替わるような文体で、夢の中で夢をみているような複雑な入子状態の小説。
 その中で奇妙に一致した部分がさらに周りを混乱させ、夢と現の境目をなくしていく。

 繋がっているようで途中から小説の中だったり、登場人物と現実の人格がいつしか入れ替わるような、不思議な世界。
まさに夢の中の様で、つじつまが合っているのか考えようとしても、それもどこからか入れ替わっていたりと、万華鏡のようなめまぐるしさで翻弄させる。

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吸血鬼


2016年03月01日 読了
 十九世紀のポーランド。貧しい田舎に新任の役人がやってきた。
やせた土地を襲う洪水、不審な村人の死、そんな時役人は見て見ぬふりをするか、村人と馴染み、同様の行いをするか。

 村に伝わる、不思議な風習。
それを否定するなら村人の信頼は得られないが、家族まで巻き込まれる。
閉鎖的な地方で起こる出来事を、暗く意味深に語る。
吸血鬼が出てくるわけではなく、隠喩として使われる。
閉ざされた村の暗くて冷たい気を感じる。

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ロング・ロング・ホリディ


2016年02月17日 読了
 札幌のとある喫茶店”D”。そこでバイトをしている大学生の幸平は、バイト仲間たちと充実した毎日を送っていた。しかしある日、社会人の姉が突然「しばらく泊めて」とやってきた。
そのうえ店長とオーナーのケンカも起こり、”D”は常連客も含めて大きな波乱が巻き起こる。

 いい環境の仕事場。いい仲間。だからそこで起こる問題は皆で解決する。
一般的には問題だと言われている行為をする大人が身近にいた場合、子供じゃないけどまだ社会人じゃない大学生のバイト達が起こす「行動」。
やっぱりこの人の話はいつもと同じだった。

GOSICK PINK


2016年01月29日 読了
 辛い戦争を乗り越え、やっと二人ですごせるようになったヴィクトリカと一弥。
ニューヨークへついた二人は、姉の瑠璃のところに一時身を寄せることにした。
ところがついてそうそう、謎に見舞われる。

 二人が探偵事務所をひらく前の話。
仕事と家を探しに歩く一弥と、家とはどんなものなのかを知らないヴィクトリカのかみ合わない会話と、ボクシングの試合で戦う友人同士のかみ合わない記憶が混乱を招く。
一弥の、あちこちの騒動に巻き込まれて慌てふためく様子はよくわかるが、それがうるさすぎて内容が薄らいでいる。いい話よりオチのないギャグが圧倒的に多いためうんざりする。

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迷子石


2016年01月22日 読了
 見習い医師の孝之助は、絵を描くのが趣味である。
見習いの身ゆえの暇さを使い、近所の子供たちと絵を描いていた。
しかしあるとき、藩の一大事となる噂を聞き、藩の存続のために知恵を絞る。

 妙に気の許せる富山の薬売り、突然殺された父の事件の真相、様々な疑問を解くため孝之助は得意の絵で密書を作る。
それは伏線として所々にあり、すぐにネタとわかるが、こんな構成の物語は作者にしてはめずらしい。
スリルはあるが説明が多くて退屈。

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水鏡推理


2016年01月18日 読了
 水鏡瑞希は文科省の一般職。しかし、ものおじせず誰にでも啖呵を切るせいではみ出し者として疎まれていた。
そんな瑞希が新しく配属されたのは研究費の不正使用を調査するチームだった。

 そこでも瑞希は、一般職の立場を超えた行動をする。
知識と行動力と度胸があるヒロインは、作者のどの作品に出も出てくるのでどれも似たり寄ったり。同じパターンのものばかりで飽き飽き。

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