2016年03月16日 読了
秋葉原署捜査一係の九重祐子は、毎日オタクたちの愚痴を聞くだけの仕事に飽いていた。しかしその中で、いつしか噂になる名前が「ギークスター」。
秋葉原の街で、悪事を働いても警察の手が回らない奴らを私刑にするヒーロー。
作者は方向転換したのか。
深みがないし斬新でもない。主人公の心情を表現することは巧みなのに、ストーリーに個性がなくなってきた。
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読書と手芸の記録
2016年03月16日 読了
秋葉原署捜査一係の九重祐子は、毎日オタクたちの愚痴を聞くだけの仕事に飽いていた。しかしその中で、いつしか噂になる名前が「ギークスター」。
秋葉原の街で、悪事を働いても警察の手が回らない奴らを私刑にするヒーロー。
作者は方向転換したのか。
深みがないし斬新でもない。主人公の心情を表現することは巧みなのに、ストーリーに個性がなくなってきた。
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2016年03月02日 読了
ある種の人にとっては崇拝と言っていいほどの熱狂的なファンを持つ作家。
その分批判も多いその作家が書くものは、現実で身近にいる人の名前をそっくり使い、現実と虚像をがするりと入れ替わるような文体で、夢の中で夢をみているような複雑な入子状態の小説。
その中で奇妙に一致した部分がさらに周りを混乱させ、夢と現の境目をなくしていく。
繋がっているようで途中から小説の中だったり、登場人物と現実の人格がいつしか入れ替わるような、不思議な世界。
まさに夢の中の様で、つじつまが合っているのか考えようとしても、それもどこからか入れ替わっていたりと、万華鏡のようなめまぐるしさで翻弄させる。
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2016年03月01日 読了
十九世紀のポーランド。貧しい田舎に新任の役人がやってきた。
やせた土地を襲う洪水、不審な村人の死、そんな時役人は見て見ぬふりをするか、村人と馴染み、同様の行いをするか。
村に伝わる、不思議な風習。
それを否定するなら村人の信頼は得られないが、家族まで巻き込まれる。
閉鎖的な地方で起こる出来事を、暗く意味深に語る。
吸血鬼が出てくるわけではなく、隠喩として使われる。
閉ざされた村の暗くて冷たい気を感じる。
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2016年02月17日 読了
札幌のとある喫茶店”D”。そこでバイトをしている大学生の幸平は、バイト仲間たちと充実した毎日を送っていた。しかしある日、社会人の姉が突然「しばらく泊めて」とやってきた。
そのうえ店長とオーナーのケンカも起こり、”D”は常連客も含めて大きな波乱が巻き起こる。
いい環境の仕事場。いい仲間。だからそこで起こる問題は皆で解決する。
一般的には問題だと言われている行為をする大人が身近にいた場合、子供じゃないけどまだ社会人じゃない大学生のバイト達が起こす「行動」。
やっぱりこの人の話はいつもと同じだった。
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2016年01月29日 読了
辛い戦争を乗り越え、やっと二人ですごせるようになったヴィクトリカと一弥。
ニューヨークへついた二人は、姉の瑠璃のところに一時身を寄せることにした。
ところがついてそうそう、謎に見舞われる。
二人が探偵事務所をひらく前の話。
仕事と家を探しに歩く一弥と、家とはどんなものなのかを知らないヴィクトリカのかみ合わない会話と、ボクシングの試合で戦う友人同士のかみ合わない記憶が混乱を招く。
一弥の、あちこちの騒動に巻き込まれて慌てふためく様子はよくわかるが、それがうるさすぎて内容が薄らいでいる。いい話よりオチのないギャグが圧倒的に多いためうんざりする。
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2016年01月22日 読了
見習い医師の孝之助は、絵を描くのが趣味である。
見習いの身ゆえの暇さを使い、近所の子供たちと絵を描いていた。
しかしあるとき、藩の一大事となる噂を聞き、藩の存続のために知恵を絞る。
妙に気の許せる富山の薬売り、突然殺された父の事件の真相、様々な疑問を解くため孝之助は得意の絵で密書を作る。
それは伏線として所々にあり、すぐにネタとわかるが、こんな構成の物語は作者にしてはめずらしい。
スリルはあるが説明が多くて退屈。
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2016年01月18日 読了
水鏡瑞希は文科省の一般職。しかし、ものおじせず誰にでも啖呵を切るせいではみ出し者として疎まれていた。
そんな瑞希が新しく配属されたのは研究費の不正使用を調査するチームだった。
そこでも瑞希は、一般職の立場を超えた行動をする。
知識と行動力と度胸があるヒロインは、作者のどの作品に出も出てくるのでどれも似たり寄ったり。同じパターンのものばかりで飽き飽き。
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2015年12月22日 読了
高校卒業の日、真琴は閉鎖になった中学校へ向かった。
所属していた軽音楽部のメンバーが集まり、思い出したくないあの事故の真相を解き、憎んでいた教師への復讐をするためだ。
冬、道路も通信手段も閉ざされ、大きな密室となった学校で起こる、連続殺人。
『そして誰もいなくなった』を使ったミステリーで、流れもオチまでもすべて定石通り。
面白いとは言えないが、ここまで型通りだと肉付けがどこまで膨らませられるか興味が出る。
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2015年11月18日 読了
大森署の署長・竜崎の、周りの人間から見た人物像。
スピンオフ短編集。
効率や数字を重視し、変人で石頭と言われる竜崎だが、話をしているうちになぜか納得させられ、仕事も上手く片が付く。
そんな上司がいたら頼もしい限りで、一つ一つの話はとてもすっきりと気持ちよく終わるのだが、後にはあまり残らない。
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2015年11月12日 読了
遊園地で戦隊ショーをしている拓真(27歳)。
長い間音信不通だった妹のサトミが死んだという連絡を受けて駆け付けた拓真は、そこでサトミの子供・昌と出会う。
とまどいながらも馴染んでいく二人。
母親のジャムがつなげる絆にほのぼのとするが、なんだか薄っぺらい。
よくある設定である上に、最後に読者を驚かせるために子供の性別を思い付きで変えてしまったような感じがする。
必ず入ってくるおせっかいな異性の登場人物もそれほど活躍せず、「こんなやついるよね」で終わる。
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