そして、何も残らない


2015年12月22日 読了
 高校卒業の日、真琴は閉鎖になった中学校へ向かった。
所属していた軽音楽部のメンバーが集まり、思い出したくないあの事故の真相を解き、憎んでいた教師への復讐をするためだ。

 冬、道路も通信手段も閉ざされ、大きな密室となった学校で起こる、連続殺人。
『そして誰もいなくなった』を使ったミステリーで、流れもオチまでもすべて定石通り。
面白いとは言えないが、ここまで型通りだと肉付けがどこまで膨らませられるか興味が出る。

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自覚: 隠蔽捜査5.5


2015年11月18日 読了
 大森署の署長・竜崎の、周りの人間から見た人物像。
スピンオフ短編集。

 効率や数字を重視し、変人で石頭と言われる竜崎だが、話をしているうちになぜか納得させられ、仕事も上手く片が付く。
そんな上司がいたら頼もしい限りで、一つ一つの話はとてもすっきりと気持ちよく終わるのだが、後にはあまり残らない。

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おひさまジャム果風堂


2015年11月12日 読了
 遊園地で戦隊ショーをしている拓真(27歳)。
長い間音信不通だった妹のサトミが死んだという連絡を受けて駆け付けた拓真は、そこでサトミの子供・昌と出会う。

 とまどいながらも馴染んでいく二人。
母親のジャムがつなげる絆にほのぼのとするが、なんだか薄っぺらい。
よくある設定である上に、最後に読者を驚かせるために子供の性別を思い付きで変えてしまったような感じがする。
必ず入ってくるおせっかいな異性の登場人物もそれほど活躍せず、「こんなやついるよね」で終わる。

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ウエストウイング


2015年11月02日 読了
 交通の便が悪く、古いために家賃が安いだけが取り柄のビルに入っている会社やテナントに出入りする人たちの、メモによる交流。
 雑用に追われる事務職のネゴロ、いやいや通わされている塾の生徒であるヒロシ、退屈な毎日だと感じている20代のサラリーマン・フカボリ。

 毎日のちょっとした不満が積み上がり、ビルの老朽化による取り壊しの話が持ち上がったり、大雨で孤立したり、散々なことが起こるがすべて平坦に語られるため危機感はない。
そのため退屈で盛り上がりもなかった。

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リストランテ アモーレ


2015年10月20日 読了
 イケメンで料理も女あしらいも上手い弟の杏二と、さして美人とは言えないが普通の容姿の姉・偲が二人で営むリストランテ。

 店に来る女性客にはたいてい手を出している弟は、それでもなぜか揉め事にはあまり当たらない得な性分。
小さないい雰囲気の店らしいけど、行ってみたいとは思えなかった。
間にいくつか話が抜けているのかと思ったくらい中途半端に話が飛び、都合よく事は収まるし、最終話は余計なつけたしにしか思えず、後味の悪さだけが残る。

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花咲小路二丁目の花乃子さん


2015年09月28日 読了
 刑事になって生まれた町に戻ってきた若者や、隠居の怪盗紳士が住む花咲小路商店街。今回は、いじめが原因で高校を辞めて、2丁目で花屋を営む花乃子さんのもとに居候することになった十代の”めい”。
 
 相変わらずの優しい人たち。傷ついてなお優しい人たちに囲まれ、やがてめいも人を繋げる。

 この人の本は、確かに始めは穏やかで優しい気持ちになれる。でもこの口調で何度も読んでいると、しだいになんだか慇懃無礼に上から目線でじっくりなだめられているような気分になってきて嫌悪感がわいてきた。

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花咲小路二丁目の花乃子さん [ 小路幸也 ]
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連鶴


2015年09月17日 読了
 一枚の紙からおよそ100羽の鶴がつながった連鶴が伝わる桑名藩。
幕末に、あくまでも藩士であろうとした速見丈太郎と、商家へ婿へ行くことが決まっている弟の栄之助には、向かう誠意は同じでも違う道が見えていた。

 あのあたりの時代が好きな人には、どこまでも想像が膨らむ話だろうけど、興味が持てない私には退屈だった。

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神さまのいる書店 まほろばの夏


2015年09月15日 読了
 本が好きで、学校の図書室に通い詰めていた主人公の紙山ヨミ。
夏休みに司書教論の事原先生に紹介された本屋でバイトをすることにしたヨミは、そこで魂の宿る本たちに出合う。

 魂が、本に宿る。
まれに、そんな現象が起こり、そしてそんな本たちはたいてい、気味が悪いといって嫌がられる。
そんな本を集めている店主や、人の姿を取った本たちとひと夏を過ごすうち、ヨミは素晴らしいものを手に入れる。

 本に宿った魂たちの姿を思い浮かべるのは楽しい。
でも話自体は王道。定石。

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神さまのいる書店 まほろばの夏 (角川文庫) [ 三萩 せんや ]
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小説 図書館の主 塔の下のライブラリアン


2015年09月08日 読了
 小さな公園の中にひっそりとある、タチアオイ図書館。
子供たちが集まるその場所では、常連のサラリーマンやオーナーの老婦人と共に本を愛する人たちの優しい時間が流れていた。

 コミックが原作だったようで、知らずに手に取ったせいか、内容の幼さにうんざりした。
コミックでなら面白く読めたかもしれない。

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小説図書館の主 塔の下のライブラリアン [ 真堂樹 ]
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あやか師夢介 元禄夜話


2015年09月06日 読了
 手のひらを目にかざすと、その人の夢が見える。
いつからか不思議な力を手に入れた夢介は、人に請われて夢を覗くことで糧を得ていた。
 恋をかなえたい者や、仕事で大成したい者、様々な夢を垣間見る。

 面倒事は嫌いなのに人たらしで、頼られると嫌とは言えず、うんざりしながらも助けてしまう夢介の性格が、いまいち生かされていない。

表紙がきれいなので手に取ったけど、内容は薄い。

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あやか師夢介元禄夜話 (白泉社招き猫文庫) [ 小沢章友 ]
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