すべての若き野郎ども


2009年08月22日 読了
 TBS・講談社 第1回ドラマ原作大賞選考委員特別賞受賞作

 天下統一が目標の達夫と出会った恭平は、暴走族特攻隊長をあっさりと辞め、二人でガンガン喧嘩をすることに決めた。

 有り余るパワーとその個性が魅力的な達夫と、納得いくまで調べ、分析する恭平がうまいぐあいに周りから目をつけられていく。

 最初からずっと喧嘩シーンがとぎれない。それにうんざりしてきた頃に登場するセブンという「伝説の男」。
セブンの登場になごまされ、進行方向が変わったかなと思わせられたが、それっきりでまた喧嘩づくし。
 最後までそれだったから私には嫌悪感も大きかったけれど、最後にセブンがふらりと登場、そこからはすっきり爽やかにまとまってしまった。

 「被取締役新入社員」と違って万人受けはしなさそうだし、喧嘩ばかりでストーリーが進んでいるのかわかりにくい面もある。
 ちょっとものたりない。

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ラットマン


2009年08月18日 読了
 動物の絵と並んでいたらネズミに見える絵でも、人間の顔と並んでいたらお爺さんの顔に見える。ラットマン。
 前後の並びから推測して先入観を持ってしまったり、思惑が認識を様々に変えてしまう。

 それらのラットマンによっていろんな角度で受け取られ、少しずつ誤解を生みながら進んでいく事件。

 人は勝手な推測でそれが真実だと思いこんでしまうが、それが一人じゃなく周囲の人間それぞれがそれぞれの思い込みで行動した結果、真実を混乱させる。

 登場人物の思いを巧みに絡ませているのはすごいと思うが、ラストのあたりでどうにでも転がせるほど執拗にどんでん返しを狙うのはやりすぎてしつこかった。

 緻密に練られたシナリオというより、最後でつじつまを合わせるためにどうとでも取れるようにしておいたという感じがしてしまう。

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茗荷谷の猫


2009年08月12日 読了
 一つ一つのわずかなつながりが次の時代へと続く。
静かで、夢の中で小さな呼吸を繰り返しているような感覚になる短編集。

 それぞれの主人公がささやかだけど頑なにこだわりを持った人たちで、その強い思いはしっかりと伝わってくる。

 ただ、インパクトに弱く、引き込まれるほどではなかった。

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怪物が街にやってくる


2009年07月09日 読了
 今野敏のデビュー作。
世界最強を謳われたジャズの「上杉京輔トリオ」を突然引退した武田巌男は、新グループを結成し復活を果たす。

 この人の本は好きなんだけど、デビュー作だけはなぜか手にしたことがなかった。
ジャズに格闘技を絡ませ、さらにグローバルな視点と宗教的な印象までも含んだ作品。
演奏シーンの表現にはちょっとくどいような気もするが、主人公の心情がわかりやすくていい。
 短編集で、叙情小説。

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樹霊


2009年06月23日 読了
 植物写真家である主人公が、巨木が動く不思議な現象を追って出かけた地で巻き込まれる事件。

 このシリーズは植物写真家の興味の元である植物をネタにしたもので、毎回注目される植物の不思議を次々と紹介していくのでそれなりにおもしろいのだが、どれも中盤が薄い。
 事件は動いているし新しい事実も徐々に明らかになってくるのだが、なぜか最初と最後しか思い出せない。
 キャラクターの魅力も薄いため、感情移入もしにくかった。

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花水木―東京湾臨海署安積班


2009年06月11日 読了
 今ドラマにもなってる安積班シリーズの短編集。
昔単行本でも読んだことがあるけど、忘れてたわ。
 仕事仲間が仲の良い仲間ばかりなんてあり得なくて、ちょっと気に障るところもあるけど信頼はしている、そんなところも描かれている。
 この人の警察シリーズは割と好きだけど、安積さんのシリーズは短編が多くて忘れがち。
 でもなんだか安心して読める。

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カフェ・コッペリア


2009年05月23日 読了
 近未来、様々な技術により生活が変わっても人の心の動きはさして変わらない。
 人間とAIが恋愛相談にのってくれるカフェ、アロマペットを手に入れたOL,先端技術を駆使した美容院などなど。。。

 ささやかな日常だけど少し苦しい、そんな場面を切り取った作品。
 個人的には「エクステ効果」と「笑い袋」が面白く読めた。ただ他の作品については中途半端であるような気がしてならない。読み終わったころには内容を忘れてしまっている。

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中空


2009年05月23日 読了
 数十年に一度開花し、その後一斉に枯死するという竹。
その花が一斉に咲き乱れる様を写真に収めるため訪れた村では、不思議なルールと習慣で成り立っていた。
 そしてそこで起こる奇妙な出来事。

 プロローグの前に書かれた注意書きを読んだ時点である種の嫌悪感が生まれた。
 続きを読むかどうかを迷ったが、淡々と進められる内容からはそれほど嫌な感じはうけなかった。

 村の象徴である竹が最後に見せる表情。その竹と運命を共にしたような村。切なさを残しながらも一つの解決へと導かれた話はきっちりと収まっている。それで充分か。

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少年検閲官


2009年05月06日 読了
 書物の所有を禁じられた世界。書物を隠し持つ者はすべからく駆逐されてゆく。人々は「犯罪」の意味すら知らない。

 失われた「ミステリ」を求めて旅をする少年と、書物の検閲をするために育てられた少年たちの探偵物語。

 物語半ばまで、全くテーマが見えなかった。何に注目させたいのか、いまひとつ主旨がわからないまま半分まで過ぎて、やっと検閲官登場。タイトルにたどり着くまでが長すぎる。しかも主人公は検閲官じゃない。確かにミステリで、事件もあって解決もするけど、いまいち盛り上がりに欠ける。
 事件の真相は納得できておもしろいけど、半分で済んだんじゃ?

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ぼくが愛したゴウスト


2009年04月28日 読了
パラレルワールドへ迷い込んだ少年の物語。
かすかな違和感からわきあがるあらゆるものへの不信感。それが募り、空気にすら違和感を覚え始めるような不思議な文脈の中で語られる「心」や「愛」や「自分という存在」。ややありふれた感はあるものの、作者はこれをどう解決させていくのかという好奇心が先を急がせた作品。しかし、物語という点でいえば、解決はしない分私にとっては消化不良。その余韻を楽しめるか否かで評価は分かれるだろうけど、現実ではこうゆう「しょうがない」事態のほうが多いんだろうなぁと思う。理由も根拠も解決法もわからないけど、受け入れるしかないという、現実。

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