2018年05月28日 読了
湿原に建つラブホテル。
従業員も客も、知れば複雑な事情を持っていた。
そのホテルを背景に、いくつかの人物を掘り下げた短編。
なんだか後味の悪いものが最初にあったせいか、だんだんその場所に同情心が芽生えてくる。
静かに海の底に住む生き物を観察している気分。
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読書と手芸の記録
2018年05月28日 読了
湿原に建つラブホテル。
従業員も客も、知れば複雑な事情を持っていた。
そのホテルを背景に、いくつかの人物を掘り下げた短編。
なんだか後味の悪いものが最初にあったせいか、だんだんその場所に同情心が芽生えてくる。
静かに海の底に住む生き物を観察している気分。
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2018年05月23日 読了
江戸で名の知れた寺の高僧が、薬種屋たちを集めて話があるという。そのさなか、突然父の藤兵衛が倒れた。
どうやら、いくつもの薬を同時に飲んだらしい。
藤兵衛が死ぬかもしれない。
そんな事態になったらさすがの若だんなも寝付いていられない、と動き出す。
今回は若だんなもいつもより危ない目に合う。
いつものほのぼのさがなかったためか、妖たちも活躍する割に印象が薄い。
毎回一つはしばらく余韻の残る話があるのに、今回は死にかけた印象しかなかった。
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2018年04月29日 読了
シャーロットの学院に、バローダの第一王女・パティが編入してきた。
寮で一番の部屋に陣取り、コーラスの歌を返させ、象に乗って街に出る。
とんでもない行動に皆を巻き込み、振り回す王女。
振り回され、いちいち腹を立てていた少女たちも、次第に気になり出し、王女に興味を抱く。
10代の女の子らしい発想ではしゃぐ姿が微笑ましいが、その分とんでもないことを思いついたりして、ハラハラする。
人の事には敏いシャーロットが、カーリーの様子にだけは鈍感なのも定石。
その力強さとノリが最後まで楽しかった。
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2018年04月28日 読了
森の中、墓地の奥にある古い洋館には、ピアノ教室があった。
そこは、彼女の音が聞こえる人だけが通える、なんでも教える教室。
不思議なピアノ教室に迷い込んだ少年が、ひと夏そこでバイトすることになった。
始めは彼女の引くピアノに惹かれ、洋館の掃除や生徒の譜めくりをしていた主人公の祐介だが、やがて繰り返される7月の記憶に不自然を感じ始める。
どんな結末になるのかは後半に入ると予想できるが、祐介や彼女の描写が細やかでリアルなために引き込まれる。
彼女が幼い事祐介にささやいた言葉が気になって様々に空想が広がり、音であふれた余韻を残す。
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2018年04月20日 読了
大学院生の圭は、優秀だがわがままで横暴な指導教員の宇賀神について、研究室の雑用を一手に引き受けていた。
それもこれも就職の恩恵があるため。
しかしある時、二人で東都工科大学の蓮見教授に招かれ、出向いた先で衝撃的な事実を知らされる。
優秀だけど軽薄な上司に振り回される主人公はとても想像しやすく、滑稽なやりとりが楽しいが、最後はシリアスで悲しい事実を知らされる。
科学に向ける視線のずれを、合コンで知り合った女の子がスパッと言い当ててくれて爽快な反面、胡散臭い科学が身近にあるのも恐ろしい。
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2018年04月03日 読了
70年まえに松ノ内家に居候していた文豪が書き残したという幻の原稿。
当時の事がうっすらと記憶にある当主の貞夫は、松ノ内家に泥を塗る内容が書かれていたのではと心配するが。
作家の孫だという男が突然やってきて、居候を始める。
しばらくは何をやりたいのかわからず興味がわかなかったが、当時の事がわかって来るたびに松ノ内家の面々に興味が湧いてくる。
前半はつまらなかったためにさほど期待をしていなかったせいか、それなりに面白い結末だったと思う。
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2018年03月05日 読了
9才の女の子さきちゃんは、お母さんと二人暮らし。
二人が大事に過ごす毎日を、かわいいイラストと共にふわっと綴る。
二人を柔らかく優しく包む空気にほっとする。
寝る前の少しの物語、聞き間違いで大笑いしたり、何気ない出来事が、イラストの穏やかさでさらに優しい気持ちにしてくれる。
ちょっとした小話がいくつも集まっているので、何かの待ち時間に少しづつ読むのに最適。
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2018年02月19日 読了
御薬園同心・水上草介。園丁たちから水草さまと呼ばれるほどののんびり屋。2年後には医学を学びに紀州へ旅立つ事が決まっているのに、近頃は漢方蘭方融合の施術を行う園内の養生所を快く思わない目付け役人が時折顔を見せるようになり、なにやら周りが騒がしくなる。
煮え切らない草介は、周りが次々と動き出してからやっと己の意志を見つめる。
蘭方医・河島が牢に入れられたりと物騒なことが起こり、ひやひやする出来事が続く中、次に繫がる決意と共に終わってしまった。
続きが読みたくなる。
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2018年01月28日 読了
弟と先妻の息子が誘拐されたと友人から打ち明けられた千秋。
一緒にプロのミュージシャンを目指す恋人の要之助と一緒に、にわか探偵となって犯人を捜す。
まだ携帯が珍しかった時代。身代金受け渡しに出かける友人の車を尾行する二人が取れる連絡手段が公衆電話というもどかしさ。
関係者がほとんど殺され、すっかりすべてが終わった頃になって、犯人が予想されてくる。ある意味想像通りだけど、展開はとても楽しく、トリックや周到で大がかりな工作は犯人の狂気と覚悟の大きさをよく表していた。
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2017年12月26日 読了
スキーの元日本代表・緋田の娘は、今急成長中のスキー選手で、将来を期待されていた。
ある時緋田は、妻が昔流産していたことを知る。そして会社から、緋田親娘の遺伝子パターンを調べたいとの依頼が来た。
自分の娘だと思っていた子は、実は他人かもしれないと恐れる緋田の心がたっぷりと描かれ、その動揺がどくどくと流れるように伝わってくる。
ただ衝撃の事実が出てくるだけじゃないのでひやひやしながら楽しめた。
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