2016年11月30日 読了
亡くなった父が大事にしていた喫茶店「星やどり」を守りながら暮らす、母と6人の兄妹。
少ない常連の一人であるおじいちゃんの姿が見えなくなったころから、家族の形が変わっていく。
ほのぼの。
仲は良いけどそれぞれが小さな葛藤を持ち、家を出る者や店を手伝う者、様々な未来を見据える。
そして、これまでから卒業する。
苦しいところも引っかかるところもなくサクサク読める。でもあんまり残らない。
|
読書と手芸の記録
2016年11月30日 読了
亡くなった父が大事にしていた喫茶店「星やどり」を守りながら暮らす、母と6人の兄妹。
少ない常連の一人であるおじいちゃんの姿が見えなくなったころから、家族の形が変わっていく。
ほのぼの。
仲は良いけどそれぞれが小さな葛藤を持ち、家を出る者や店を手伝う者、様々な未来を見据える。
そして、これまでから卒業する。
苦しいところも引っかかるところもなくサクサク読める。でもあんまり残らない。
|
2016年11月20日 読了
派遣社員の三智子は、彼氏にフラれてから元気がなかった。
そんな三智子に有能な女性部長・黒川が声をかけてくる。
「これから1週間、ランチを交換しよう」
仕事はできるがちょっと近寄りがたい部長の指示で、その日行く場所へランチへ出かける三智子。仕事場での部長の顔しか知らなかったけど、ランチで出会う人や場所によってどんどん視界が開けてくる。
元気が出てくるランチ。美味しいと思えることが楽しいということが、力になる。
でも後の短編はそのパワーに欠けていた。アッコちゃんの話がもっと読みたくなる。
|
2016年11月18日 読了
たくさんの人から慕われた神様のような坪井誠造が死んだ。
教師であり、定年してからは裏の敷地にアパートを建て、畑も作り、近所の人々に愛された坪井誠造の通夜に集まった人々。その中に、ちょっとした疑惑を持つ者が数人いた。
清廉潔白な、神の様な人物だったはずなのに、一つ怪しいと思ってしまうとたちまちすべてが怪しくなり、あっという間に悪魔の様な人物になってしまう。
通夜の席の数人の話だけで、一人の老人の人物像がここまでくるりと入れ替わるのは面白い。
最後まで違和感を持たせずに上手く一人を消し去る結末には驚いたが、あのオチはあんまり好きじゃない。
|
2016年11月17日 読了
夜でも明るい両国の見世物小屋。
その中に、珍しい技を見せる芸人がいた。
最近人気のその人形遣いは、月草という。
まことを話す井戸から生まれた玉を目にもつ姫人形・お華を操る月草の下へやって来るお客は、お華のファンだけではない。
知りたい事を抱えて思いつめた人は、見世物の途中でも構わず月草に詰め寄ってくる。
そのあたりを束ねる親分の頼もしさと、月草の優しさがわかりやすく引き立っている。
謎というより人のしがらみが大きく、それがほどけた瞬間はすっきりする。
ただ、表紙のお華の表情がなんだかしっくりこなくて、物語の印象が薄くなってしまっている。
|
2016年11月06日 読了
家族がバラバラになり、自分だけは違うとそれから逃げ続けていた歩だが、ある日頭髪が薄くなっていることに気付いてからは、卑屈で人を避け、猫背で引き篭もる日々をすごしていた。
上巻はただ淡々と出来事を綴っていたからさほど興味もわかず、いつ読むのをやめても気にしないくらいだったが、下巻になって少し周りが見えてきた歩の物の見方に興味がわいてきた。
どこにも引っかからずするすると読めるため、あっという間に終わりそうだったが、最後で「夢オチ」的な気配が出てきたところで突然白けた。
ヤコブとの邂逅で終わっていればまだタイトルともつながったのに、残念な気分しか残らなかった。
|
2016年11月02日 読了
両手両足を切り取られた若い女の死体が見つかる。
さらに、妻・おさとの友人でおゆきという娘の父親が拷問されたあげくに殺され、おゆきの身も危ないというので、貧乏浪人・由比三四郎が用心棒となる。
シリーズものだったようだ。
短い出来事がいくつか起こり、その陰には「達磨美女」へつながる不気味な予感。
寒気がするような決着だが、一応落着する。
妻のおさとがとても良い雰囲気を出しているが、一つ一つの事件のその後が全く語られないので気になってしまう。
|
2016年10月23日 読了
春休み、『これは救済だ』と言って消えた友人を探して、北海道にやってきた中学1年の上杉。
もう一人の友人である黒木と共に、目星をつけた修道院へ乗り込もうとする。
中高生向けでシリーズもののようだが、知らずに読んでも十分楽しめた。
得意の中世ヨーロッパの知識も入っていて、それなりに狂気もまざり、残酷な部分はうまくコーテイングされていて透明感もある。
他の作品も気になってしまう。
|
2016年10月21日 読了
ばけものをこよなく愛する中将の宣能。
ところが近頃ふさぎがちで、怪異めぐりに誘われない。
心配した宗孝は、今まで訪れた思い出の場所を再び訪ね、元気を出してもらおうとするが。
どんなに嫌がっていても、結局は中将に付き合う宗孝が、今回は少し頼りになる。
愛らしさを振りまく初草も、つかみどころのない12人の姉たちも、登場人物のほとんどがとても柔らかい雰囲気で、とても恐ろしい怪異を探しているとは思えない読後感がある。
|
2016年10月19日 読了
呉服屋「摂津屋」の跡取り息子だった為吉は、幼い頃店に押し込み強盗が入り両親を殺されていた。
その後為吉は北町奉行所付きの中間となっていたが、ある日、両親を殺した盗賊集団・青蜥蝪の首領が捕まったと知る。
江戸の治安を守る仕事につき、過ちを犯した人を見ていく為吉。
始めは暗く愚鈍な男と思っていた為吉の人生が、そのうちいい方へ転がっていくというところを見ていると、為吉の考えていることもわかってきて納得する。
大きな成功はないけど、大きな幸せを手に入れた為吉にほっとした。
|
2016年10月15日 読了
タカシがキングとなったワケ。
誰からも慕われていたタカシの兄・猛が、池袋のガキたちを束ねようとしていた。
それは隣町で抗争を繰り返していたカラーギャングたちが、池袋にもやってこようとしていたからだ。
そして埼玉の双子が手を出してきて、猛は足を痛める。
氷の様なタカシの原型はすでにあるが、まだ兄の陰に隠れていた頃はひたすら暗い印象。兄は簡単に死んでしまい、その犯人も上手く挿げ替えられすぎる。
警察に見破られないわけがないが、キングの誕生を経調したかったのか、その采配も強烈。もはや無法地帯。
|