2010年05月04日 読了
中学の2年先輩のユーミさんに誘われて入ったのは、なぜか男子禁制の喫茶店<ぶろっく>。常連さんはほとんど女性ばかり。
喫茶<ぶろっく>に通うようになって、学校と家以外の居場所を見つけた。
まだ先のことなんか全然わからないし実感もないけど、大人ってどんなものなのかを見た少年のお話。
とってもこの人らしい作品。
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読書と編み物の記録
2010年本文作成
2010年05月04日 読了
中学の2年先輩のユーミさんに誘われて入ったのは、なぜか男子禁制の喫茶店<ぶろっく>。常連さんはほとんど女性ばかり。
喫茶<ぶろっく>に通うようになって、学校と家以外の居場所を見つけた。
まだ先のことなんか全然わからないし実感もないけど、大人ってどんなものなのかを見た少年のお話。
とってもこの人らしい作品。
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2010年05月03日 読了
顕微鏡下人工授精のエキスパートである産婦人科医、曾根崎。
冷徹な魔女(クール・ウィッチ)の渾名を持つ彼女の元に、5人の妊婦が訪れる。
現在の日本では認められていない代理出産。一時期はメディアでも騒がれ、大きな社会問題となった・・・・?はずなのにいつの間にか忘れ去られている問題。
主人公が冷徹な魔女(クール・ウィッチ)だからか、かなり辛口な作品になっているため、嫌悪する人も多いかもしれない。
でもやっぱり妊娠・出産の話題は目をそらすことができない。
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2010年05月02日 読了
殺されたのは、政治結社の構成員、暴力団員、ロシア人ジャーナリスト、大学教授。
一見、関係のない殺人事件だが、手口が同じ。
公安の捜査員・倉島は、これらの連続殺人の裏に潜む大きな穴を覗き込む。。。
作者は、刑事モノも公安モノも描いている。刑事と公安はその信条の違いから仲が悪いと言うが、どちらの立場の本を読んでもお互いの悪口が描かれていておもしろい。
でも今回は、倉島とロシアのネタにもかかわらず、ヴィクトルが登場しないので物足りなかった。
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2010年05月01日 読了
エジプト考古学者で30年来の友人が、謎のメールを残して失踪。やがて無残な姿で発見される。
歴史的発見をした友人と、それを狙う盗掘団。友人の仇を討つと決心した主人公。
著者が考古学者であり、様々な発掘を手がけている。初のミステリー作品だというが、事件にいたるまでのエジプトのウンチクがやたら多くてうんざりする。その辺りの説明はごっそりいらない。
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2010年04月29日 読了
「死神にやられた」
朦朧とした意識でそう言って、師匠が昏倒した。
今回も落語と絡めた話が5編。
編集長・牧の読みは相変わらずだけど、消してホームズではない。主人公の緑を導く役に徹していて、読者にも考えさせながら進む。
なじみのない落語の内容にも、いつしか興味がわくが、落語の舞台となる時代が違うので、「落ち」がいまいち理解できない話も、、、時々ある。
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2010年04月25日 読了
死夢。死が迫っていることを告げる予知夢であり、死を受け入れる境地へと導く啓示夢である。
中学時代の友人が、猫が心臓のあたりにのしかかってくるという夢を見て次々と死んでいく。「悪夢による自殺」
湿気の多い部屋で一人置き去りにされたような心地悪さが、とても作者らしい。流れ的に結末は読めるが、この不気味さを味わうには充分。
しかし、まだ罪の告白が始まっていないにもかかわらず、すでに罪を犯したと断定している槇村の言動はかなり違和感があった。
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2010年04月24日 読了
夢に入り、人の魂魄を吸い生きる夢魔。
都の陰陽師である典明が対峙した夢魔は、一族のいずれもが相対してきた強敵であった。
見えない物を見、聞こえない物を聞く。人差し指に巻かれた金の糸から相手の夢に同化し、唯一夢魔を切れるという鬼切の刀を振るう。
すべてが夢に入る直前のうとうとと暖かい一時の出来事のような物語。自らの意味、生きることの意味を問うために書かれたというこの物語は、あてどない時間の流れの意味を問うたもののよう。
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2010年04月21日 読了
引きこもりの鳥井、誰よりも鳥井を最優先する坂木。
二人に依頼された動物園で起こった事件は、怪我をさせられた猫たちの謎。
3部作の最終話だった。
主要人物のキャラはとても面白いけど、彼らに巻き起こる事件や謎は、「ちゃんと」しすぎていて少ししらじらしく思える所もある。
まさに、正論で武装していた松谷のよう。
痛々しい過去と傷があるからなじめる内容。
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2010年04月17日 読了
落語誌の編集者になって1年。緑は、静岡で行われる春華亭古秋一門会の襲名口演に立ち会う。
今回も天才的な洞察力を持つ編集長・牧が予言めいた言葉を綴り、ほぼ終盤に至るまで声だけの登場となるのに存在感がある。
そしてネタになった「七度狐」を全く知らなくても少しづつ混ざる解説でするりと馴染め、取り込まれる。むしろ、長編なので落語にじっくり浸れた。
都合のいい進み具合もあったかもしれないけど、肝となった「古秋」の名前や、最後のうすら寒い執念までもが、気持ちよく残った。
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2010年04月11日 読了
東城大学病院に来たばかりの新米医師・世良が直面する大学病院の日々。
若き日の高階先生の活躍が見れる。そしてインターンとしてやってくる田口と速水。
医療に全く関係ない本として出ている「黄金地球儀」の話もちょっと絡み、知っていればほくそ笑むことができる。
ちょっと下火になっていた作者への興味を、またしっかりと掴みとられた気分。
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