落下する緑 永見緋太郎の事件簿


2010年06月12日 読了
 ジャズトランペット奏者が主人公の、ミステリ。

 タイトルに惹かれた。表紙が奇麗だった。テーマがジャズとミステリで、サブタイトルに「色」の名が冠してある。

 私の好きなパーツがたくさん入っていて、どうしても読みたい本があったのに次にまわしてしまった。

 内容は作者の言うとおり「フツーの本格ミステリ」だったし、ジャズや曲名、奏者を知らないので流して読む所もあったが、音楽をやるヒトの気持ちは地下水のように濃く流れていて頼もしかった。

インディゴの夜 ホワイトクロウ


2010年06月10日 読了
 クラブ<インディゴ>の夜は相変わらず。
今回は<インディゴ>の中の話だけじゃなく、ホスト達のプライベートがメインになっている話も混ざる。

 すっかり板に付いたホスト探偵団。その分女の子たちの影は薄くなったが充分楽しい。

 自分だったら誰を指名するかなーって思いながら読む。

白戸修の狼狽


2010年06月04日 読了
 社会人になったばかりの白戸修。ホームを出なくてもいざこざに巻き込まれる鬼門「中野」を避けているつもりなのに、やっぱり巻き込まれる。

 お人よしで初対面の人に名前も聞かないうちから強引に引き込まれ、自分の用事は結局一つもできない。
 
 読み進むにつれ腹が立つほどのお人よしぶりが鼻につき、共感はとてもできない。
 でもその場で起こるトラブルをあっさり解決してしまう探偵ぶりは癒し系草食男子?

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インディゴの夜 チョコレートビースト


2010年05月29日 読了
 シリーズ2作目。塩谷の粗野なところも優夜の紳士ぶりもホストたちの自由っぷりも相変わらず見事。

 晶の、どこがオシャレなのかさっぱりわからない若者の服装に対する疑問と、「義務教育を終えた人間が、自分のことを名前で呼ぶんじゃないの」などの、若者からしたらウザいおばさん並みの小言にも共感が持てるのは年のせいか??

 こんなホストクラブがあったら是非覗いてみたい。

フリーター、家を買う。


2010年05月29日 読了
 最初の就職は3カ月で辞めた。その後、フリーター。25歳。
世間から滑り落ち、再び立ち上がる気持ちも萎え、ただ怠惰な毎日を送る主人公。
 
 母親の病気に20年も気づかなかったなんて!

 家族のことにはとんと興味を持てなかった男どもは、母の変化に途方に暮れる。
 しおれた男にカツを飛ばす姉の亜矢子がかっこいい。

 主人公のダメぶりに心が痛いが耳も痛い。。。
こんな風に変われたら、こんなふうに仕事が出来たら、、、。

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文学刑事サーズデイ・ネクスト〈1〉


2010年05月23日 読了
 特別捜査機関(スペックオプス)に所属する「文学刑事」のサーズデイ・ネクスト。文学作品の中に侵入できる特殊装置「文の門」を使って何事かを企む者たちを、物語の中に入って阻止しようとする。
 もちろん協力者は小説の登場人物で、彼女らの行いによってお話が変わってしまうことだってありうる。

 物語に入ることができる!登場人物と話が出来る!そして仲良くもなれる!

 こんな素敵なことはない。小さいころからどれだけ夢みただろう。 『不思議の国のアリス』?『ハリー・ポッター』?
そんな世界が広がる。

イノセント・ゲリラの祝祭


2010年05月20日 読了
 AI導入に、賛成か反対か。
それぞれの立場と権力による利益を守るため、自分たちのいいような世界を作ろうとする。
 そんな者たちを手玉にとり、なだめすかし、追い詰めていく。

 ミステリーでも病院が舞台でもない。
田口・白鳥シリーズのエア・ポケットといった感じのストーリー。

 この人の作品には、次までの「つなぎ」となるような布石めいた本がたまにある。
 これらによって下準備と根回しが行われ、やがて大きな波が来る。

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夕暴雨―東京湾臨海署安積班


2010年05月15日 読了
 安積班シリーズ。巨大イベントにネットで爆破予告。
臨海署が大きくなり、人員も増えたために起こる確執。その中で起こったネット掲示板への書き込みのため、図らずも強硬班の中で勝負する羽目になってしまう。

 ライバルとして登場する相楽。彼とのやり取りも相変わらずのつぶやきでやり過ごす安積。このシリーズは愚痴っぽい班長のために事件が起こるようなもので、事件そのものよりも安積の愚痴を聞くのが楽しみになってきたような気がする。

 曖昧でつかみどころがなく、幻のようなカンで進むネットの中の繋がりが起こす事件の話。

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インディゴの夜


2010年05月12日 読了
 一風変わったホストクラブ<indigo>。仕事仲間と副業で始めた店に舞い込んだ事件に首を突っ込むうちに結成された、にわか探偵団。

 ホストの男の子たちと渋谷の街を走り回る。

 主人公のフリーライター・晶が、最初はやたら男勝りで下品なのでどうにも嫌悪感が沸いたが、それもそれなりに慣れてくる。

 王道ホストの優夜がうまく中和してくれているためか、オオゴトなのにあっけらかんとしていて後味がいい。

福家警部補の挨拶


2010年05月06日 読了
 現場を観察し、聞き込みに周るときにはすでに真相をつかんでいる。小柄な女性刑事の活躍する4編。

 落語シリーズが面白いのでこっちのシリーズも、と思って手に取ったけれど、どうもいまいち力がない。

 「現代のコロンボ」と評される刑事の手腕は理解できる。高評価してる人も多い。でも私はあんまり楽しくなかった。

 動機、殺害手順、証拠、、、伏線はきれいにいくつも取り入れられていて、推理モノとしてはすっきりとまとまっている。
 でも登場人物が薄すぎる。読み終わったら何も残っていない。

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