2016年10月11日 読了
銀座で探偵事務所を営んでいる月輪龍太郎は、東京帝大で犯罪捜査学講座を受け持つことになる。
しかし学生は3人。
やる気の感じられない3人に向かい、月輪は講義を始める。
教科書を使わず、実際の犯罪を扱うという方法で。
3人の学生にそれぞれ謎解きをさせ、答え合わせとして月輪が犯人を捕まえてゆく。
他のシリーズのスピンオフということらしいが、これだけ読んでも色んなパターンがあり、楽しめる。しかし本格的というほどではない。
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読書と編み物の記録
2016年本文作成
2016年10月11日 読了
銀座で探偵事務所を営んでいる月輪龍太郎は、東京帝大で犯罪捜査学講座を受け持つことになる。
しかし学生は3人。
やる気の感じられない3人に向かい、月輪は講義を始める。
教科書を使わず、実際の犯罪を扱うという方法で。
3人の学生にそれぞれ謎解きをさせ、答え合わせとして月輪が犯人を捕まえてゆく。
他のシリーズのスピンオフということらしいが、これだけ読んでも色んなパターンがあり、楽しめる。しかし本格的というほどではない。
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2016年10月08日 読了
家出や、社会からはじき出された人が住む、治安の悪いシェアハウス。
そこでは盗みが頻発し、プライベートなどなく、不潔な環境で様々な男女がいた。
犯罪に加担する者、シェアハウスの狭い環境で威張る者、お金がたまるとさっさと出ていく者。
そんな中で、運よく出られた主人公の綾希が見た、暗い世界。
恐ろしいうえに救いがなく、辛い気持ちになるのに最後まで一気に読んでしまう。
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2016年10月06日 読了
バスジャック事件の被害者に届いた「慰謝料」を巡り、被害者たちの意見は対立する。
出どころを突き止めるまでは使わず、その後は黙って受け取るのか、すべてを寄付するのか。。。
金を手にすると人は変わる。
そんな彼らの心を少しでも軽くしようと、杉村は動く。
幸せな家庭を築いていたように見える杉村の、少しづつ閉じ込められるような息苦しさがしだいに大きくなる。
最後は衝撃だったけど、バスジャックはあんまり関係なかったような気もしてしまう。
そのうえ、妻の父という大きな存在から遠ざかった杉村に、あんまり興味はなくなってしまった。
次の「探偵」へ向かう前振りだとしても。
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2016年10月01日 読了
ボクサーの夢が破れ、地元に帰って教師をしながらくすぶっていた池田。
ある日、教え子の女子生徒が失踪し、さらに旧友がホームレスのような格好で死んでいるのが見つかる。
女子生徒は車で連れ去られたとの目撃証言もあり、池田は行方を探し始める。
最初はあまりの下品さと、しばらくたっても中身が見えてこないために投げ出した。
タイトルと表紙からも何も伝わってこないのも理由。
でも読み進むうちにわかってくる池田の人柄が、この先どんな考えを持つのだろうと興味を持てた。
最後はオオゴトになる。でもやっぱりこのタイトルは失敗だと思う。
どうもこの人は、「探偵はバーにいる」のシリーズ以外はぱっとしない。
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2016年09月30日 読了
家の事情で格安物件を探していた主人公の聖央大学理工学部応用物理学科のビンボー1年生・二神雫。
食堂で見つけたチラシを頼りに、超常現象研究サークル「SL&S」に入会しようと面接を受ける。
しかしそこは、“St.ルーピーズ・サナトリウム(聖なる愚か者の療養所)”と噂されるサークルで、その結果雫は不思議現象に立ち向かうはめになる。
ミステリーのようだけど理論的で、推理のようだけどヒントはなく、ただ謎解き編を読み進むしかない。
でも個性的な登場人物と先端技術が合わさり、なんとなく納得させられる。
そんな技があったのかと次の時代への期待が沸き起こる。
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2016年09月26日 読了
酒癖の悪い父から逃げ出そうとする聖人の前に突然現れた、黒ずくめの女性・日和満。
自らを「ヒワマン」と呼ばせるその女性は、見た目も話すことも変わっていた。
今までの作品とはガラリと違う雰囲気。
どう受け取っていいのかわからないというのが感想。
色んな所に現れ、人々の背中を押し、誠実な態度を見せ、さらりといなくなる。
迷う人たちの元でその迷いを吸収し、より黒さを増していく人外のもののよう。
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2016年09月22日 読了
ある日、園田編集長と一緒に向かった取材の帰りに乗ったバスで、バスジャックに遭遇する杉村。
犯人の自殺という結果で終わったその事件が、一緒に人質になった者たちの団結を強め、さらにそのまま終われない違和感を残した。
杉村シリーズ。
あっけない事件かと思っていたら、園田編集長の過去が語られ始めたころから急にスピード感が増す。
全く見えてこない慰謝料の出どころと犯人の出した3人の名前が興味をそそる。
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2016年09月20日 読了
「ジョーカー・ゲーム」シリーズの作者・柳広司が書いた、エッセイや未発表作品を集めた何でも集。
デビュー前の作品があったり、好きな本や映画を紹介していたり、柳広司という作家がどんなことを考えてきたのかがわかる本。
こうゆう本はたいていがっかりするものが多いけど、こちらは短編やパロディ的なショートストーリーがあって思いのほか楽しく読めた。
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2016年09月19日 読了
盗犯を担当する警視庁捜査三課のベテラン刑事・萩尾と、その部下・秋穂。
二人が担当した空き巣は、金目のものがあるところだけを的確に見抜き、他には手も触れないという凄腕の窃盗犯・ダケ松の犯行と思われた。
しかし、すぐにつかまったダケ松の供述を聞いた二人は、違和感を持つ。
空き巣の事件から、国宝の窃盗事件へと事が大きくなる。
それは、犯罪に関わる者たちが、それぞれのプロ意識と技をかけた行動だった。
相変わらずすぐ忘れそうな話だけど、関わる者たちの思いは丁寧に書かれていて飽きずに一気に読める。
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2016年09月16日 読了
古い空き家を保存・管理し、新しい住人を見つける課「空き家課」の職員・間宮明。
ひょんなことから上司の娘の三上汀に不思議な力があることを知る。
そして二人は、空き家を巡って出会う人々の、懐かしい思い出に触れる。
ファンタジーの要素はあるけど薄っぺらい。
童話と言っていい感じの、とても都合のいい話。
写真やまぼろしは絵本にすればきれいなものができそうな気がしたが、小説としては納得できる構成になっていない。
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