とりどりみどり


 万両店の廻船問屋『飛鷹屋』の末弟・鷺之介。
『飛鷹屋』の子供は5人いて、全員母が違うけど仲はいい。
毎日3人の姉に付き合わされてうんざりしていた鷺之介は、ある日芝居小屋で出会った同じ年くらいの少年と友達になる。
往来で騙りに出くわしたり、姉が突然戯作者に弟子入りしたいと言い出したり、境内で買った手ぬぐいが物騒な証拠品だったりと、全く飽きない毎日だ。
そして母の月命日に墓参りに行った鷺之介が知る、出生の秘密。

 遠慮も気遣いも全くない姉たちに一向に太刀打ちできない鷺之介が気の毒になるが、次第に姉たちの頭の良さと行動力に関心させられる。
口も悪いのであちこちで厄介を起こすが、それでもちゃんと弟を大事にしているし、女だからと我慢もしない。
見方につければ頼もしい限りだ。
こんな風に強く生きられればいいなぁと羨ましくなる。

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