ばけもの好む中将 九 真夏の夜の夢まぼろし


 皇太后の父が建てた夏の離宮で、華やかな宴が催されていた。
その離宮では、先日生まれた孫の顔を見たいという皇太后、もちろん帝や妃である弘徽殿の女御、梨壺の更衣を始め、宮中で働く者たちが大勢集まり、恋のかけひきや政治の駆け引きなど、様々な思惑が動いていた。
もちろんそこには宗孝と中将も招かれており、「美しい妻を持った嫉妬深い夫が、妻と娘たちを惨殺した」という噂があることを知った中将は、めったに立ち入ることのできない離宮での不思議をなんとしても見つけようと、嬉々として散策を始めていた。

 夏の夜の熱に浮かされたような宴の様子が、夢の中のように美しい。
そんな中を、中将は不思議を求め、若宮は真白に会いに、宗孝はめったに姿を見せない姉を探して、それぞれさ迷い歩く。
肝試し的な様子になってくるが、結局はドタバタでなぜかうまく収まる。
何もかも知っているような十の姉に振り回される宗孝が可愛い。

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