イスランの白琥珀


 「オーリエラントの魔道師」シリーズ。
ヴュルナイは、幼い時国母イスランによってその力を目覚めさせられた。
その後大魔導士となり、いまわのきわのイスランに国の行く末を託されたが、後継者たちの裏切りにより命を狙われる。
辛くも生き延びたヴュルナイは、オーヴァイディンと名を変えて齢100を超える年になり、友となったエムバスと旅をしていた。
ある日、無実の罪で捕らえられた若い女族長を助けることになり、そこからオーヴァイディンは国を救う策をめぐらせ始め・・・

 魔導士となること、どうすればなれるのか、その秘密が長い旅の途中でわかる。
頑固で、関係のない人々には頓着せず、人助けも気が向いた時だけというひねくれた老人となったオーヴァイディン。
いつの間にかなくしていた白琥珀が、イスランの意思を示すときの衝撃は乱暴ともいえるほどだが、女族長との出会いがイスランとの誓いをオーヴァイディンに思い起こさせる。
この時を待っていたかのように。
人である故に持つ闇が魔導士という力になり、オーヴァイディンのしぶとさと賢さは、近くにいたらさぞめんどくさいだろうが、それ以上に頼もしいだろう。

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