黒猫の約束あるいは遡行未来


2014年11月19日 読了
 フランスで講師をしている黒猫は、恩師であるラテスト教授から「思想継承のために、ある塔を調査してほしい」と依頼される。
それは設計・建築者が亡くなった後も成長を続けるという〈遡行する塔〉。
 
 一方、学会発表のためイギリスへやってきた「付き人」。
滞在中、突然映画への出演を依頼される。

 遠く離れていた二人が、イタリアで出会う。
今回は黒猫と付き人の思想と美学談義の割合が少ない。しかしその分ミステリーの部分が入り込み、15年も続く約束がはたされる瞬間に立ち会うことになる二人。
そして、二人の関係や思いがこれまで以上に語られる。
表紙の絵が、今の二人の関係を象徴しているようでもどかしくなる。

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