いちねんかん


 江戸の薬種問屋兼廻船問屋、長崎屋の主夫婦が、九州の別府まで湯治に行くことになった。
1年間長崎屋を預かることになった一太郎は、跡継ぎとしての本格的な修行となることに張り切っていたが、やはり都度都度寝込むこともする。
西から疫病がやってきていると噂をきけば、なぜか疫病神と疫鬼が長崎屋でケンカをすることになったり、押し込みに狙われたり、問題は次々とやってくる。
はたして長崎屋は、両親が帰ってくるまで無事でいられるのか。

 長い「若旦那」生活もそろそろ終わりになりそう。
跡継ぎとしての力量が試されると張り切って商いのアイデアをだしてみれば、大番頭にいいように扱われそうになったり、大阪の大店の娘婿を決める試験に立ち会うことになったり、妖たちの起こす騒動だけじゃないことも引き受けることになる。
これまでのように、割と気楽に行動していた一太郎のままではいかない。
区切りが見えてきてこれからが楽しみになる。

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