「ばけもの好む中将」である宣能の妹・初草は、文字が動いたり、色がついて見えるという共感覚の持ち主。そのため、文字そのものを読み取りにくく、読み書きができなかった。
そこで発明家に嫁いだ宗孝の5番目の姉に協力を頼み、初草が文字を読める発明品を作ってもらうこととなった。
一方、宣能と共に怪奇探しに出た宗孝は、宣能と別れた帰りに河原で瀕死の男に出会う。
その男が言い残した言葉が宣能に関わる名であったために、宗孝は苦悩の夜を重ねていた。
初草の能力に宗孝の姉の知恵が重なり、とても愛らしい姿となった場面を想像するのが楽しかった。
宗孝は相変わらず姉たちとの微笑ましいやり取りで場を和ませ、宣能の麗しい姿が優雅を催す。
悪意を吐き出す多情丸が最後に不気味な高笑いを残すために後味が不穏だが、これから宣能の活躍が待っているのだろうか。
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