2017年01月12日 読了
なんでもかんでも三十八文の「みとや」を営む兄・長太郎と妹・お瑛。
ある日、店じまいする絵双紙屋から引き取ってきた本に挟んであった錦絵に、お瑛は既視感を覚えた。
忘れていた幼い頃の記憶がよみがえるような感覚に、お瑛は心細くなる。
極楽とんぼの兄だが、仕入れてくる物は良い物で、周りで起こる困ったことにもするりと入り込んでいつしか解決している。
そんな兄に振り回されているようで励まされているお瑛も、ちゃんと自分の足で立とうとする力強さが頼もしい。
錦絵の疑問もちゃんと解けるが、そんな絵がお瑛のところにやって来たのはただの偶然なのか縁なのか、できすぎのような気もして気になる。
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