2017年05月23日 読了
尾張藩では、松茸を献上するのが習わし。
そのための役職まであり、松茸のとれる山には庶民は出入り禁止となっていた。
江戸で育ち、算術が得意な小四郎は、上司の無能さに呆れ、侮り、蔑みながらも、出世のためにせっせと仕事をこなす日々。
ところがある日、小四郎は藩元の松茸同心に任命される。
有能なはずの自分がなぜ、と腐りつつも松茸や山に触れるうち、藩の借財の元である松茸の不作をなんとかしようと心が変わる。
ちょっとコメディチックで箸休め的な話かと思いきや、いつの間にか引き込まれてしまった。苦労が報われた時のうれしさはさらりとしか書かれていないのに後を引く。
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