2018年10月19日 読了
武家に生まれたが、妾腹だったために疎まれ、寺に預けられた久斎は、大事に思っていた娘の死を受け入れられず、寺を飛び出した。
その後に出会う人たちとの暮らしで、久斎は無暁と名乗り、波乱万丈の人生を生きる。
寺を飛び出した後、出会った万吉と暮らした日々があっという間に終わってしまい、残りはいったい何の話だろうといぶかしんでいたが、そこからはもっと濃い人生となった。
苦しい生活、ひどい天災や飢饉が長く語られるが、一番印象的だったのはイナゴの群れだった。
虫にすらなすすべもないとは、悲しさが残るばかり。
最後は若い頃の彼とは別人のように人が変わる。
でもやっぱり悲しみが募る。
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