長く行方知れずとなった夫・羽吉と離縁し、留守の間も守ってきた飼鳥屋を営む女主人のおけい。
ある日、剤も着屋から出た火で広く火事になり、ことり屋も焼けてしまう。
小鳥たちと共に何とか逃げ延びたおけいは、お救い小屋で肩身の狭い思いをしたり、昔の知り合いに嫌みを言われたりと、落ち着かない日々を送っていた。
さらに、娘の結衣をおけいに託したまま行方知れずとなってしまった永瀬を心配しながら、おけいはこの先どうやって生きていこうかと不安を募らせていた。
ことり屋おけいの前作は、かなり前に読んだせいで忘れていたが、人間関係はすぐに思い出せた。
火事によってたくさんの人が死に、町が消えた様子がたびたび出てきて胸が痛い。
そして元夫との再会と、永瀬との関係も、火事で消えたように一旦まっさらになって考え直しているようだった。
辛い出来事が多く出てくるけど、どれも悲観的にはならないのでまっすぐ受け取れる。
そしてお救い小屋が閉鎖される頃には、おけいは次の生き方を決めていた。
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