2018年12月19日 読了
ある日病院に連れてこられた救急患者は、極度の貧血だった。
しかし、点滴で充分な補充をしたにもかかわらず、一向に改善しない。
そして患者は昔、瀉血を繰り返していた。
おかしな現象と思われる症状を見て、不思議と原因を言い当てる医師・西丸は、”臨床探偵”と渾名されていた。
西丸の大学時代を描いた「消えた脳病変」が、第十一回ミステリーズ!新人賞受賞作。
患者を信じたいが症状からは納得できないと悩む若い医師たちの様子を眺めながら、真相を言い当てるまさしく『探偵』。
その根拠ももちろんなるほどと思わせ、こちらの未熟さを静かにフォローしてくれる。存在感があまりないように書かれているのが、今までにない探偵。
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