猫をおくる


 いつの間にか猫が集まり、「猫寺」と呼ばれていた都内の木蓮寺。
そこには、猫を専用に扱う霊園がある。
高校教師だった藤井は、住職の真道に誘われて猫専門のスタッフとして家族として過ごした猫たちの供養をしている。
炉の温度や時間を工夫し、骨がきれいに残るように。そして小さな星を見つけられるように。
 猫と過ごした時間、猫に救われたり、癒されたり、共に生きたものをいたわる人たち。

 小さな骨の中になってしまった猫たち。
猫に選ばれた人間たちが集まり、ただ優しい時間を過ごす。
これまでの辛い出来事を隠して、死んでしまった猫を思い、今生きている猫たちとの時を描いた優しい物語。
童話のよう。

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