誰か


2016年06月08日 読了
 今多コンツェルン会長の個人運転手が、自転車に轢き殺される。
広報室の杉村三郎は、遺族の姉妹から、「亡き父の事を書いた本を作りたい。そしてそれが犯人を捕まえる助けになれば」と相談を受け、引き受けてしまう。

 調べを進めていくうちに、本を出すことに対する熱の込めようが姉妹でかなりの違いがあること、さらにそれは家族の過去につながる大きな秘密に繋がることがわかってくる。

 杉村は、何かがわかるたび、何かに気付くたび、自分が手に入れた幸せをかみしめる。
謙虚だけど、いい人すぎる。姉妹の関係性が見えてくるほどそれは引き立ち、人の暗くて黒い部分をより暗くしていた。

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