大学で百物語をやるという企画が持ち上がる。
夜通しのイベントなので学生だけでは許可が下りず、民俗学の准教授である高槻に監督してほしいと依頼される。
100話目の妹を亡くした男子学生の話のあと、暗闇となった香以上に「おにいちゃん」という声が聞こえ、皆は驚き恐れるが、高槻は一人、白けた顔をしていた。
そして夏休みになると、深町と高槻と佐々倉の3人は、深町の故郷へと向かう。
そこで行われていた「死者の祭り」を確かめに。
百物語はいつものように高槻が見抜き、先生らしくしっかり教えを説いて頼もしくもあり、以前読んだ圓朝の話も出てきて興味深かったが、青い提灯の祭りから生還する場面は、ドラマの方が納得できるストーリーだった。
不思議な生き物である沙絵の力が大きく働いていたが、現実の問題として今までの怪異を解き明かしてきたこのシリーズにはかえって不自然に感じた。
ドラマのように、伝説や逸話の教訓をもとにしてひとつづつ解決していく方が高槻らしい気がする。
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