すべては良い会社に入るため、7年余りを就活にかけてきた主人公の蜂矢徹郎。
常にスーツを着込み、話し方も面接向けの言葉使いで、周りから「就活侍」と呼ばれても気にしない。
同志である就活生たちを敵とみなし、恋愛やサークルで楽しむ者たちを見下し、希望の商社から内定をもらう事のみに徹底していた徹郎が、気ままな同級生や胡散臭いオジサン聴講生にもまれて自分の道を見失い、また探り出す、就活エンターテインメント。
学生や就活を極端なほどの個性で押し通し、滑稽で、笑い泣きさせるのが上手い。
デビュー作の「被取締役新入社員」を思い出させる。
自分の信念を7年も貫き通すパワーは変人を通り越して個性として認められていて、そんな彼を冷静に観察する目もあり、素直に受け止める人、単純に感動する人と様々な視点もあって、人に興味を持つための素材がたくさんあった。
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