泥棒は詩を口ずさむ


 引退する古本屋を買い取り、主人となったバーニィ。
元泥棒だと知っている人は少ないはずなのに、わざわざやってきたその客は、世の中に一冊しかない本を盗めと頼んできた。
楽勝で盗んでこれた本だったが、なんとそれを奪われてしまう。
しかもまた殺人事件にも巻き込まれ、バーニィはまたもや自分の無実を証明するために事件を解決する羽目になる。

 頼まれた仕事はしないはずのバーニィが、これで三度目の依頼泥棒なうえ、そのすべてで殺人事件の犯人にされてしまう。
同じ展開であきれてしまうが、話自体は面白い。
相棒となる女性もちゃんといるし、何かと融通を聞かせてくれる刑事のレイもいる。
奇抜な推理でもなく、ちゃんとヒントも隠されていて、ちょっと周りくどいが飽きずに読めた。