やさしい猫


 シングルマザーの保育士・ミユキさん。
災害地へのボランティアで出会った8歳年下の自動車整備士であるクマさんと、一年後に偶然再会してから付き合い始める。
そして何度目かのプロポーズでやっと結婚を決めた頃、二人に大きな問題が立ちはだかる。
ただ家族で一緒に暮らしたいという希望が奪われそうになり、必死で抵抗し戦う家族の姿を描く。

 語り部はミユキさんの娘であるマヤ。
誰かへの手紙のような語り口でさらさらと綴られるが、クマさんが外国人であるという理由で起こる大きな問題が暗くて大きな影を作る。
そして、勝率の低い戦いにも負けるもんかと乗り出す3人。
入国管理局で起こる事件が時々ニュースになるが、それを題材にしているので生々しい場面もあって、時に読むのが苦しくなる。
これは問題提起のために書かれた物語。