名探偵じゃなくても


 いつもの居酒屋で飲んでいた三人は、紳士然とした男性・我妻に声をかけられた。
彼は、かつて小学校の校長を務めていた楓の祖父の教え子なのだという。
今は認知症を患っている祖父だが、今でも楓が持ち込む相談事を聞くと頭がさえ、名探偵のごとく謎を解いていく。
そんな祖父に、我妻は相談があるという。

 少しづつ進む祖父の症状に心を痛めながらも、謎を解く時に見せる顔が見たくて通う楓。
ただ、岩田と四季の楓への思いが語られるうちだんだんうさん臭くなっていく。
それは楓に魅力が感じられないためで、都合よくプリンセスに仕立て上げられて行っている。
極端な自己犠牲に走る四季にも同情しにくい。