おっかなの晩 (日本橋船宿あやかし話)


 江戸草川に浮かぶ島、日本橋の箱崎。
川辺の小さな船宿を切り盛りする女将のお涼。
彼女の元へ届く手紙の中には、吉原にいる花魁・清里からのものがあった。
清里は狐憑きと言われてしばらく客足が遠のいていたのだが、それを逆手に取った接客をするようになり、また人気が戻ってきていた。
そしてお涼の元へは、時折不思議な客もやってくるという。

 面倒見が良いお涼のところへやってくるのは、人だけじゃなかった。
そして彼らは、お涼に頼みごとをしたり、癒されたりして去っていく。
なかにはちゃんと落ちが付いた話も合っておもしろい。
お涼の子供の頃の話もあって、彼女の不思議な魅力がつまっていた。