矢上教授の午後


 夏のある日、大学の古い研究棟に偶然居合わせた人たちが、停電によって建物に閉じ込められてしまう。
電話もつながらず、エアコンもなく外は大嵐で出ていくこともできず、ただ天気の回復を待つひと時のはずだった。
しかし、そこでなぜか大学関係者でもない男の死体が見つかってしまう。
犯人がまだこの中にいるかもしれない状況で、午後のティータイムのお供にと矢上が真相を突き止めようとする。

 小さな謎も大きな謎も、盛り込みすぎてどれが解決に向かっているのか全くつかめない。
さらにそれぞれの章が短く、ころころと場所も視点も変わっていくので流れがつかみにくかった。
最後にはすべて解明するが、どれもなくても良かったのではと思うような小さな出来事ばかりで興味も沸かず、退屈な午後といった感じだった。