2019年11月01日 読了
巣鴨で六代続く糸問屋の嶋屋。店主の徳兵衛は、三十三年間待ちに待った隠居の日を迎える。
嬉々として皆に通達し、隠居宿を探し、やっと静かな生活ができると思っていたのもつかの間、あっという間に飽きてしまう。
そんな時、孫の千代太が隠居屋に訪れた時から生活は一変する。
徳兵衛のうんざりした顔が、思案顔に代わり、良い思い付きをした時の顔、思い通りになった時のしたり顔、そして心がほこほこした時の嬉しい顔。
色んな表情が飛び出してきて次は何だとわくわくする。
子供の、思いもかけない行動が、思いがけず充実した隠居生活に結び付き、大きな問題にも次々と光が見えてくる様子が楽しかった。
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