東京・虎ノ門の企業で働く桐人は、何度も希望を出してやっと配属されたマーケティング部門で、仕事への向き合い方がつかめず、また有能と期待されている同期との確執で疲弊していた。
ある日、普段は無口な同僚の璃子が颯爽と通り過ぎていく場面を目撃し、思わず後をつける。
そこで桐人が見たのは、昼休憩の間の短いプラネタリウムプログラムでで静かな時間を送る璃子だった。
桐人と直也の上司にあたるマネージャー職として、中途で採用された恵理子。
しかし人事のトラブルで疲れ切った恵理子は、ある日会社へ向かう電車から降りないことにした。
終点でみつけたそこは、夢の島だった。
ある会社の中の人間関係を、一人ひとり切り取って見つめる。
誰の話もかなりしんどい。
読んでいると苦しくなってくるが、短編だとわかっているので読み進められる。
人には見せない部分の苦しさにさらされて、短い割には気分の消耗が激しかった。
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