精霊たちが生きる世界。
鳥の精霊の王に拾われた、土の精霊の子・ナオミ。
羽は持たないが不自由はなく暮らしていたナオミはある時、風の精霊を統べる蜻蛉の精霊の皇帝から「私の寵姫の座を狙ってみないか?」と誘われる。
皇帝の後宮には皇后と愛妾(つま)がおり、彼の胸には皇后の瞳の色に似ている緑の宝石を選び抜いた首飾り「皇后の碧(みどり)」が常に輝いていた。
ナオミはなぜ自分に声がかかったのか訝りながらも、かつて鳥の王の妻であり、皇帝に召し出されたイリス皇后の様子を探りに、後宮へと向かう。
八咫烏シリーズとはかなり印象が変わるファンタジー。
皇帝の横暴におびえる日々から、後宮の内部を見て回るうちに気づく事、立場によって見え方がこんなに変わるのかと驚く。
そのうえ鳥と虫との性質の違いがもたらす考え方の違いも大きい。
皇帝の秘密は大きかったが、イリスの秘密でもあり、納得させられる。
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