2011年02月20日 読了
15年前に自殺として処理された女性教師の転落死は、殺しだ。
タレこみにより、残り1日の時効を前に捜査本部がたつ。
容疑者は当時教え子だった男子生徒3人。
現在の取り調べと、15年前の3人の行動がパラレルで進行し、目が離せなくなる。
どれほど昔の事であっても、辛いことはそう簡単には薄れない。
殺人の時効がなくなったこれからは、こんな小説も生まれてこなくなってしまうのか。
|
読書と編み物の記録
2011年02月20日 読了
15年前に自殺として処理された女性教師の転落死は、殺しだ。
タレこみにより、残り1日の時効を前に捜査本部がたつ。
容疑者は当時教え子だった男子生徒3人。
現在の取り調べと、15年前の3人の行動がパラレルで進行し、目が離せなくなる。
どれほど昔の事であっても、辛いことはそう簡単には薄れない。
殺人の時効がなくなったこれからは、こんな小説も生まれてこなくなってしまうのか。
|
2011年02月13日 読了
父を死に追いやったテレビ局のプロデューサー仁科に、復讐を誓った唯。
仁科と同じ職業に就き、わざわざ仁科に師事してその機会を待っていた。
そして、ついにその時とばかりに大ベストセラー小説をドラマ化する話を持ち込む。
最初から復讐のための布石が次々と置かれ、詐欺まがいの強引さで仁科に向かう。
ものすごいパワーだけど、そのどれもが負の力ゆえにこちらの力を奪っていく。
読後感も暗い。
|
2011年02月12日 読了
明治になって20年もたったころ、江戸のご時世なら「若様」と呼ばれる立場であった武士家の若君たちが、暮らしの安定を狙って入った警察学校で起こる出来事を描く。
「アイスクリン強し」の少し前の出来事である。
たった2カ月の警察学校生活を、無事に乗り切ろうと思っていたはずなのに、初日から諍いを起こす。
この時代ならではの対抗意識を、若者らしい受け取り方と行動力で清々しく描いている。
|
2011年02月11日 読了
母が家出した。
突然弟(5歳)と二人暮らしになった私(17歳)は、少しも困らなかった。
恋多き女の母に、彼氏ができたのだろう。
親が家出したのに妙に冷静で、それなのに子猫が捨てられているのにはどうしようもなく怒りを感じる。
だから、母を探すことなどしないけど、猫たちを助けたいと思って無謀な策を弄する。
傍から見ればおかしいかもしれないけれど、自分にとってはとても筋の通った感情の動きだから、やるしかない。
10代の時の行動する意味って、こんなんだったかなぁって思い返す。
|
2011年02月08日 読了
愛美は事故で死んだのではありません。このクラスの生徒に殺されたのです。
映画のコマーシャルで流れた印象的なセリフ。
学校のHRで言うには似つかわしくないセリフが独白形式で語られる。
さらに事件に関係する人たちまでも。
とにかく「すごい」と思った。
うすら寒い空気がぬぐえないまま次々と衝撃を受け、少々手荒だけどアリかもしれないと思ってしまうほど狂わされる。
同じ事件を描いているはずなのに、立場が移り変わるごとに少しづつ話が進んでいくので飽きも来ない。
いろんな立場のいい分をあれほど描けるなんて、脱帽するよりない。
|
2011年02月06日 読了
ある町の交番には、変わり者のおまわりさんがいる。
地域住民の事を妙に知っている彼女のいる交番に、今夜も人々が集う。
変わり者だけどすごい。
民事不介入なはずの警察だけど、おまわりさんなら相談できる。
身近で頼りにしてもいい人がいるってとても力強い。
静かな夜に読む短編集。
|
2011年02月05日 読了
刑務所から戻ってきたばかりの井堀は、でかい泥棒の仕事にまきこまれる。やくざに弱みを握られた刑事の山岡や、ストーカーなどが入り混じってこじれ、ドカンとはじける結末。
主人公の性格の単純さが、ややこしい問題を軽く見せている。
でも本人が楽観的な分、こちらが心配する羽目になる感じで、読むうちに疲れてきた。
この人の他の作品とは少し違ったイメージ。
|
2011年01月30日 読了
「空気がきれい」としか言いようのない田舎町で起こった少女殺人事件。その少女と友達だった3人の女の子は、「償い」という「約束」をさせられていた。
3人それぞれの目線で語られた事件以降の日々。
疑問はもちつつも引き込まれていった。
最後に全ての関係が明らかとなり、すとんと納得がいったが悲しい結末だった。
|
2011年01月29日 読了
北アルプスの山小屋で働く五木。登山道から外れて倒れていた遭難者を発見したことがきっかけで繋がる、いくつかの事件。
わずかな違和感が五木を動かす。人が気づかないことに気づく五木だったが、それは後味の良いものばかりとは言えなかった。
「聖域」に続き山の話。どこか頼りない主人公だが、悩み続け、なんとか難を逃れながら見つける事実は、やっぱりいいものばかりではなかった。
でも、たいていの人が持つ力や覚悟ってそんなものかもしれないなぁ。
|
2011年01月27日 読了
突然部屋に上がってきたものすごい形相の女。
驚いて思わず果物ナイフをつかんだら、殺しちゃったかもしれない。どうしよう。
勘違いがどこまでも広がり、殺人や裏切りや探偵なんかも出てきてドタバタコメディ。
赤川次郎そっくりの展開。後に残らず、軽い。
どうやらシリーズものだったらしい。
|